画像=Pearl Abyss『Crimson Desert Enhanced: 未知の旅』

韓国のゲーム各社が、モバイル・オンライン中心の事業構造からPC・コンソール向けパッケージゲームへと軸足を広げる中、発売後の収益確保に向けてダウンロードコンテンツ(DLC)の拡充を急いでいる。発売初期に売上が集中しやすいパッケージタイトルの弱点を補い、追加収益の積み上げとIPの長期運用につなげる狙いがある。

モバイル・オンラインゲームは、新キャラクターやアイテム、各種アップデートを通じてリリース後も継続的に売上を生みやすい。一方、パッケージゲームは本編販売が初動に偏りやすく、時間の経過とともに販売ペースが鈍化しやすい。

韓国ゲーム各社のコンソール市場参入が相次ぐ中、問われているのは本編のヒットだけではない。発売後の売上とユーザーの関心をいかに長く維持するかも重要な課題になっている。DLCは新たな物語や地域、キャラクターを追加販売することで収益を積み増せるうえ、本編販売の再加速にもつながる。

◆Pearl Abyss、「Crimson Desert」に発売7カ月で初DLC

Pearl Abyssは、3月20日に発売した「Crimson Desert」の初DLC「Crimson Desert Enhanced: 未知の旅」を10月16日に投入する。本編発売から約7カ月後の追加となる。

「未知の旅」では、これまで陸上が中心だった冒険の舞台を海へと拡張する。プレイヤーは船を直接操船し、島や海底を探索できるほか、施設運営や住居のカスタマイズ、新たな物語も加わる。

DLC投入のタイミングは、本編の販売推移とも連動しているとみられる。「Crimson Desert」は発売初日に200万本、26日で500万本、83日で600万本を販売した。一方、売上は発売直後の1四半期の2665億ウォンから、次の四半期には1361億ウォンへ減少。Steamの同時接続者数や販売ペースも、初期の勢いからは鈍化していた。

DLCの発売日公表後は、Steam上の指標が短期的に持ち直した。8月に最大3万人規模だったピーク同時接続者数は4万3000人まで上昇し、9月7日時点のSteam「人気ゲーム」ランキングでは前週比61ランク上昇の12位を記録した。

パッケージゲームで発売後に販売が減速するのは自然な流れだが、Pearl Abyssは比較的早い段階で拡張コンテンツを投入し、販売鈍化局面で新たな需要を喚起する構えとみられる。

◆DLCで本編販売を下支え、IP寿命も延ばす

NEOWIZは、2023年9月に発売した「Lies of P」に対し、2025年6月に拡張DLC「Lies of P: 序曲」を追加した。「序曲」には新地域や新ボス、新武器に加え、本編以前の物語が盛り込まれている。

DLC投入後も本編販売は継続した。NEOWIZによると、本編とDLCを合わせた累計販売本数は今年2月に400万本を突破した。追加コンテンツの販売だけでなく、本編の販売期間を延ばす効果も表れた格好だ。

Mintrocketの「Dave the Diver」も、DLCと対応プラットフォームの拡大によってロングセールスを続けている。Mintrocketは9日、世界累計販売本数が1000万本を突破したと発表した。韓国開発のシングルプレイ向けパッケージゲームとしては初めての1000万本で、2022年10月のSteamアーリーアクセス開始から約3年10カ月での到達となる。

DLC単体でも実績を上げている。Mintrocketは2025年4月に「Like a Dragon」とのコラボDLC「一番の休日」を投入し、今年6月にはストーリー拡張型DLC「In the Jungle」を発売した。「In the Jungle」は発売から約2カ月で累計販売本数100万本を突破した。

「Dave the Diver」はPCを起点に、PlayStation、Nintendo Switch、Xboxへと展開を広げてきた。17日にはモバイル版も世界同時リリースする予定だ。発売から3年を超えたタイトルにDLCと新たなプラットフォーム展開を重ね、単一IPの収益機会を広げる戦略といえる。

Shift Upは、DLCをIP連携の手段として活用した。「Stellar Blade」では、「NieR:Automata」と自社IP「Goddess of Victory: NIKKE」を組み合わせたDLCを投入し、既存ユーザーが本編に戻るきっかけとなるコンテンツを追加した。

DLCの活用法はタイトルごとに異なる。「Stellar Blade」や「Dave the Diver」の「一番の休日」のように他IPとの協業で話題を喚起する例がある一方、「Lies of P」や「Crimson Desert」、「Dave the Diver」の「In the Jungle」のように、新地域や新ストーリーを加えて本編そのものを拡張するケースもある。

韓国ゲーム各社のコンソール戦略は、1本ごとの初期販売に依存するモデルから、DLCとプラットフォーム拡大を通じて作品とIPの収益期間を伸ばす方向へと広がっている。NEOWIZが「Lies of P」の次回作を開発しているように、DLCは本編と続編の間をつなぐ役割も担う。

業界関係者は「モバイル・オンラインゲームは、リリース後もアップデートと課金で継続的に売上を作りやすい。一方、パッケージゲームは本編発売初期に販売が集中しやすい」としたうえで、「DLCは既存ユーザーを呼び戻して新たな売上を生み、本編から次回作までの間、IPへの関心をつなぎ留める有効な手段になる」と話した。

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