画像=Reve AI。2つのAIチャットボットにトレーニング計画の作成を依頼したところ、ChatGPTのほうがより体系的な提案を示した。

ChatGPTが、運動計画の作成能力を比べた専門家評価でSiri AIを上回った。米ITメディアのTechRadarは1日(現地時間)、同一条件で2つのAIチャットボットにトレーニング計画の作成を依頼した結果、ChatGPTのほうがより完成度の高い提案を示したと報じた。

比較では、36歳の男性が自宅でダンベルだけを使い、1回45分以内でこなせる週3日の分割トレーニング計画を作るよう依頼した。目的は筋肥大。追加の質問は行わず、一般ユーザーが一度に入力しそうな単発のプロンプトだけを与え、両サービスの初回回答を比べた。

Siri AIは、1日目を胸・肩・上腕三頭筋の「プッシュ」、2日目を背中・上腕二頭筋・後部三角筋の「プル」、3日目を下半身と体幹とする3分割のメニューを提示した。各種目は3セット、8〜12回、セット間の休憩は60〜90秒とし、ダンベルの重量や自重種目の難度を段階的に上げるよう案内した。種目ごとのやり方を簡潔に説明した点は評価された。

一方で、実際にかかる時間は、提示された45分より短い約25分に収まる日が多いとみられた。準備運動や栄養摂取に関する案内もなく、補足情報は限定的だった。パーソナルトレーナーでフィットネスコーチのスコット・レイドラーは、Siri AIについて「構成がシンプルで誤解が少ない」としたうえで、利用環境に応じた代替種目の提案も適切だと評価した。

ただ、レイドラーはSiri AIの限界も指摘する。体力の向上に応じて重量を増やすよう提案しているものの、一定期間後に効果が頭打ちになった際、どうメニューを見直すべきかは示していないという。計画も長期運用を前提としたものではなく、数カ月単位の内容にとどまっており、継続には新たな計画を繰り返し作成し直す必要があるとした。

これに対し、ChatGPTはより長期的な視点で計画を組み立てた。運動の優先順位や基本原則を最初に示したうえで、週間スケジュール、各セッションの準備運動、種目ごとのセット数と反復回数、鍛える部位まで整理して提示した。動作の説明は含まれていなかったが、各セット終了時に1〜2回の余力を残す目安に加え、進め方や回復、栄養摂取、この分割法が有効な理由まで補足した。

専門家評価はChatGPTに傾いた。レイドラーはChatGPTの提案を「はるかに計画的なルーティン」と評価。Siri AIが全種目に一律で3セット・8〜12回を当てはめ、筋群への刺激が週1回にとどまるのに対し、ChatGPTは多くの筋群を週2回刺激する構成とし、種目ごとにセット数も変えていたと指摘した。さらに、準備運動や負荷の進め方まで含めており、「明示された筋肥大という目標に、より最適化されている」と述べた。

付加機能の差もあった。ChatGPTは、ユーザーが投稿した動画をもとにフォームを評価できた一方、Siri AIはこうした機能を備えていなかった。

もっとも、両サービスとも個別最適化された運動コーチとしては限界があるとの見方も示された。レイドラーは、いずれのモデルも、メニューをより精緻に調整するために必要な追加質問を行わなかったと指摘する。けがの履歴、実際の運動強度の感じ方、好みの種目といった情報が欠ければ、利用者の状況に合わない計画になる可能性があるためだ。

こうした課題は、AIによるフィットネス助言全般に共通する。より適切な回答を得るには、プロンプトにできるだけ詳細な情報を盛り込み、必要な追加質問も促す必要がある。同時に、どのトレーニング計画が適切なのかを、利用者自身がある程度見極める力も求められる。現時点では、トレーニング計画の作成でChatGPTがSiri AIを一歩リードしたものの、どちらも専門家レベルの個別設計を完全に代替するには至っていない。

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