写真=Reve AI

富裕層の間で、ビットコインを短期の高収益を狙う投機対象ではなく、長期保有を前提とした分散投資先として位置付ける見方が広がっている。ただ、資産家一族の資産を運用・管理するファミリーオフィスでは、暗号資産の組み入れはなお限定的だ。

7日付のCointelegraphによると、暗号資産取引所BingXの最高戦略責任者(CSO)を務めるケビン・リー氏は、伝統的な富裕層は既存の暗号資産投資家に比べ、より長期目線でビットコインを捉えていると語った。

リー氏は「Token2049」の対談で、代替投資先を探す伝統的な富裕層と接する機会が多いと説明。こうした投資家について、価格変動があっても安易に売らず保有を続ける、いわゆる「ダイヤモンドハンズ」に近いと述べた。

同氏は、ビットコイン市場の拡大に伴い、富裕層の見方が変わってきたと指摘する。短期で10倍のリターンを狙う対象ではなく、ポートフォリオ分散の一環として組み入れる発想が強まっているという。金やビットコインにそれぞれ資産の5%を振り向けるように、短期の売買益よりも資産配分を重視する傾向があるとした。

こうした傾向は最近の調査結果にも表れている。CoinSharesが、投資可能資産が50万ドル以上の投資家2230人を対象に実施した調査では、暗号資産に投資する理由として「長期的な価格上昇への期待」と「分散投資」が上位を占めた。短期投機は回答比率が最も低く、デジタル資産投資家の80%がビットコインを保有していた。

リー氏は、富裕層を暗号資産市場にとってなお取り込み余地の大きい投資マネーと位置付ける。購入後に長期保有する投資家が増えれば、ビットコインをポートフォリオ分散の手段として活用する動きが一段と広がる可能性があるという。

もっとも、ファミリーオフィスによる暗号資産投資は依然として限定的だ。JPモルガンが2月に公表した報告書によると、30カ国のシングルファミリーオフィス333社のうち、89%は暗号資産への投資比率がゼロだった。暗号資産・デジタル資産の平均組み入れ比率も0.4%にとどまり、これを主要な投資テーマに挙げた回答者は17%だった。

一部の富裕層では、ビットコインを分散投資先として受け入れる動きが出ているものの、ファミリーオフィスの一般的な資産配分先として定着するにはなお距離がある。今後の焦点は、既存投資家の長期保有志向にとどまらず、これまで暗号資産を組み入れてこなかった資産家層の新規投資につながるかどうかだ。ビットコインを巡る認識の変化が実際の資産配分拡大に結び付くかが、富裕層マネー流入の持続性を占う材料となりそうだ。

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