米国の暗号資産規制が転換点を迎えている。Clarity法案が上院で停滞するなか、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)は10月5日、ビットコイン、イーサリアム、XRPなど主要6資産を原則として証券に当たらないとする共同解釈を公表した。SECはこれに先立ち、6つの3倍レバレッジETFの上場も承認している。韓国でも、来年2月のトークン証券制度の施行を控え、金融各社の連携が活発化している。
こうした動きを受け、ビットコインは週末の終値ベースで8万6000ドル台を回復した。XRPはEverNoseのナスダック上場を控え、特に市場の関心を集めた。ただ、米長期金利の高止まりに加え、10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることから、先行きに慎重な見方も残る。
CFTCのマイケル・セリグ委員は10月5日、ニューヨークのフォーダム大学ロースクールで開かれたシンポジウムで、SECとの共同解釈を公表した。長年続いてきた「証券か商品か」を巡る論争について、当局が一定の線引きを示した形だ。
共同解釈では、暗号資産の取引所を3つに区分するとした。現物取引所は州の送金業規制を軸に管理し、証拠金取引やレバレッジ、貸付サービスを提供する取引所は新たな連邦規制の対象とする。無期限先物などを扱うデリバティブ取引所は別枠で整理する。
上場審査では、価格操作に対する脆弱性の立証が求められる。顧客資産を一括保管する場合には、準備金の証明義務も課す。意見募集期間は連邦官報への掲載後60日間。法令そのものではなく解釈にとどまるため、政権交代に伴い見直される可能性はあるが、市場では規制の方向性が「禁止」から「制度化」へ移りつつあるとの受け止めが広がっている。
商品関連市場でも動きが出た。SECは10月3日、Cboe BZXによる規則変更案を承認し、ビットコイン、イーサリアム、金、銀、原油、天然ガスを原資産とする3倍レバレッジETF6本の上場を認めた。
スポンサーはVolatility Shares。先物を活用し、各原資産の日次騰落率の3倍に連動する設計となる。実際の売買開始には追加の登録手続きが必要で、日々リターンをリセットする商品設計のため、長期保有には向かないとしている。
立法面では、スティーブ・デインズ上院議員が9月30日、「ADAPT法案」を提出した。米ドル建てステーブルコインで商品やサービスを購入する際のキャピタルゲイン課税を免除し、1取引当たり10ドル以下のネットワーク手数料は課税計算の対象外とする内容だ。
一方で、これまで株式に適用されてきたウォッシュセール規制は暗号資産にも拡大する。CoinbaseやFidelityなどは支持を表明した。BitwiseはClarity法案の不成立後について、むしろ「より良いルールを、より早く」得たと評価したが、2029年に新政権が発足した場合の方針転換リスクにも言及した。
ビットコインはBitstampベースで8万6532ドルで週間取引を終え、1月末以来の高い週末終値を付けた。ショートの清算額は1億2000万ドルを超え、相場上昇に弾みを与えた。市場では8万7000ドル水準への再挑戦を意識する見方が出ている。
Rekt Capitalは、相場が8万2500ドルの支持線と8万6700ドルの抵抗線の間で推移していると分析した。抵抗線を明確に上抜ければ9万3700ドルまで上値余地が広がる一方、支持線を割り込めば6万〜8万ドル帯を再び試す可能性があるとしている。
米10年債と30年債の利回りはそれぞれ5.34%、5.69%まで上昇し、2002年以降の高水準との指摘も出ている。ただ、9月の新規雇用者数は2万9000人と、市場予想の9万人を大きく下回った。これを受け、追加利上げの可能性は低下したとの解釈も広がった。
第3四半期の騰勢は堅調だった。ビットコインは42.71%、イーサリアムは70.8%上昇し、現物ETFへの純流入額はそれぞれ64億9000万ドル、31億1000万ドルに達した。ただ、Glassnodeは市場参加の裾野が十分に広がっておらず、出来高も上昇に追随していないと指摘した。Binanceの現物市場で厚い売り板が観測されている点も重荷とみられている。
市場では、10月27〜28日のFOMCを最大の変曲点とみる向きが多い。話題面では、前年の高値を的中させたとして注目を集めた4chan利用者が、史上最高値の12万6198ドルから364日後に当たる10月5日を底値として示し、実際に相場が反発した。ただし、これは偶然の可能性が高く、投資判断の根拠にはなりにくいとの見方が強い。
Strategyのマイケル・セイラー会長は「これまで以上にオレンジ色だ」と述べ、追加購入を示唆した。保有量は84万7666BTCで、供給量の約4.04%に相当する。平均取得単価は7万5442ドルで、含み益は82億5000万ドルを超えるという。正確な規模はSECへの開示資料で確認できるとしている。
XRPを巡っては、EverNoseがSPACのArmada IIとの合併について9月30日に株主承認を得た。10月8日からナスダックでティッカー「XRPN」として取引を開始する。保有するXRPは4億7300万枚で、上場企業として最大規模だとしている。
同社によると、Ripple、SBIグループ、Pantera、Krakenなどが参加し、10億ドル超の資金が流入した。単なるパッシブ商品ではなく、XRPを分散型金融(DeFi)や裁定取引に直接活用する計画を掲げる。アナリストの間では、流通量の減少を背景にXRPが2ドルを試す可能性があるとの見方が出る一方、上場直後の利益確定売りが変動要因になるとの指摘もある。
韓国市場では、今週の「XRPソウル2026」開催もあり、XRPの売買代金が首位に立った。ただ、これはレバレッジ取引を遮断した現物中心の市場構造による面が大きいとされる。金融業界のブロックチェーン導入についても、2027年時点では実証段階にとどまるとの慎重論が併存している。
韓国政府は、海外取引所や個人ウォレットに移転されるデジタル資産の内訳を、韓国銀行の外為電算網を通じて一元管理する方針だ。国境をまたぐデジタル資産移動を利用した外為規制の迂回や不法取引を防ぐ狙いがある。
制度改編により、政府は越境移転情報を統合的にモニタリングし、外為規制の回避や不法取引をより迅速に把握する考えを示した。
韓国では、トークン証券制度の施行まで約4カ月に迫るなか、金融各社の提携が加速している。証券会社が単独でインフラを構築するのではなく、ブロックチェーンやトークン化に強い企業、プラットフォーム事業者、コンテンツ企業などと役割分担し、発行から流通、決済までをつなぐ事業基盤を整える動きが目立つ。
金融当局は、来年2月の制度施行を前に、一般投資家による店頭取引所での投資上限を、取引所ごとの年間純買越額1億ウォンに設定した。発行対象も、フラクショナル投資証券に加え、株式、債券、ファンドなど既存の証券へ広がる。
ステーブルコインを巡っては、24時間リアルタイムで資金移動できる特性から、金融不安時には銀行預金や自国通貨からの資金流出を加速させかねないとの分析も出ている。2023年3月のシリコンバレー銀行破綻時には、USDC準備金33億ドルが凍結され、価値の安定性が揺らいだ。アルゼンチンでは、ペソで購入された暗号資産の94%がステーブルコインだったという。
これに対し、企業は決済手段としてのみ利用し、直ちに法定通貨へ換えるとの反論もある。FRBが先週公表した全額準備資産に関する規制案は、2027年1月のジニアス法施行を見据えた後続措置で、発行トークンを短期国債などで100%裏付ける内容となる。規制の精緻化が進む一方、リスクがどこに波及するかを巡る議論も強まっている。
イーサリアム財団は、人工知能サービスの利用料をゼロ知識証明で匿名決済する「zkAPI」をメインネットに適用した。
一方、Porscheは911 NFTのWeb3プロジェクトを終了した。発行数は目標の7500個に届かず2363個にとどまり、直近1カ月の取引額は2900ドルだった。規制の明確化が進む市場では、実需と収益性が選別基準になりつつある。