AIの普及を背景に、世界でデータセンターの拡大が続いている。登録件数の増加は米国が主導する一方、水資源への負荷はチリやベルギーなど一部の国で相対的に大きいことが分かった。
TechRadarが10月6日付で報じたところによると、Comparitechが143カ国を対象に分析した結果、米国の登録データセンター数は2023年の5300カ所から2026年には5427カ所となり、127カ所増えた。ロシアは174カ所から251カ所、英国は465カ所から523カ所に増加した。
もっとも、こうした増減にはデータセンター一覧の更新に伴う変動も含まれており、実際の新設規模と必ずしも一致しない可能性がある。
環境面では、水不足地域でのデータセンター拡大が課題として浮上している。世界資源研究所(WRI)の国別水ストレス指標では、チリが5点満点中4.5、ベルギーが4.4だった。これに対し、米国は2.6、英国は1.3にとどまった。
この指標で4~5は、再生可能な水資源の80%超が農業、産業、生活用水などで取水されている状態を指し、「極めて深刻な水ストレス」に分類される。
チリでは2023年以降、登録データセンター数が46カ所から59カ所へ増加した。サンティアゴ北部のキリクーラにある大規模データセンターでは、年間約15億リットルの水を使用するとされる。
ベルギーでも同じ期間に69カ所から81カ所へ増えた。ただ、Comparitechは、水ストレスそのものをデータセンター増加の直接的な結果とみなすことはできないとしている。
データセンターの水使用量は施設規模や運用形態によって大きく異なる。Comparitechは、大規模施設では1日当たり最大約500万ガロン(1892万7059リットル)を使用する可能性があると説明した。ただし、これはベルギーの特定施設の実測値ではなく、大規模データセンターにおける一般的な上限の目安だとしている。
安全保障上のリスクも無視できない。3月にはイランの攻撃により、アラブ首長国連邦とバーレーンのAWS施設が被害を受けた。ウクライナでも、ロシアの攻撃でデータセンターが打撃を受けた。
Comparitechは、データセンターの集積は電力やネットワークの効率向上につながる一方で、地域資源への負荷、単一障害点の発生、軍事的標的の集中といったリスクも高めると指摘している。