科学技術情報通信部と韓国研究財団は7日、「韓国科学技術人賞」の10月受賞者に、ソウル大物理天文学部のイ・ジョンウン教授を選定したと発表した。原始星の形成過程で、惑星材料となる結晶質ケイ酸塩の生成と移動の仕組みを明らかにした研究成果が評価された。
韓国科学技術人賞は、直近3年間に独創的な研究成果を上げ、科学技術の発展に貢献した研究者を毎月1人選ぶ制度。受賞者には科学技術情報通信部副総理賞と賞金1000万ウォン(約110万円)が授与される。
研究チームは、約1.5年周期で明るさが変化する原始星「EC 53」を対象に、爆発の前後を比較する時間変化に着目した分光観測を実施した。
その結果、米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を使い、質量流入が急増する「間欠的降着爆発」の際に、結晶質ケイ酸塩が新たに形成される様子を世界で初めて直接観測した。
さらに、JWSTとアタカマ大型ミリ波・サブミリ波干渉計(ALMA)の観測データを組み合わせることで、高温環境で生成された結晶が「円盤風」によって低温の彗星形成領域まで運ばれる過程も明らかにした。
この成果は、約46億年前の初期太陽系でも同様のプロセスが起きていた可能性を示すものだ。地球を含む惑星を構成する物質の起源と、その変化過程の理解につながる成果といえる。研究結果は1月、国際学術誌「Nature」に掲載された。
イ教授は「国内研究陣が主導した国際共同研究によって、天文学界の長年の課題だった初期太陽系物質の変化過程を明らかにできた点に大きな意義がある」とコメントした。その上で「今後も、星と惑星、さらには生命の材料が宇宙でどのように生まれ、結び付いていくのかを継続して研究していきたい」と述べた。