BlackRock(写真=Reve AI)

BlackRockは、AIエージェントの普及が進めば、暗号資産の需要が拡大する可能性があるとの見方を示した。人間を前提とした既存の決済インフラでは、機械間の少額・高頻度取引への対応に限界があり、今後はビットコインとステーブルコインがそれぞれ価値保存と決済の役割を担う可能性があるとしている。

6日付けのBitcoin Magazineによると、BlackRockは将来の暗号資産需要の大きな担い手が、個人投資家ではなくソフトウェアになる可能性を指摘した。

同社が重視するのは、AIエージェントが実体経済の活動に本格的に関与し始めた場合、既存の決済インフラでは対応しにくいという点だ。カードネットワークやACH(電子資金決済網)は、人による口座開設や認証を前提としているうえ、手数料面でも超少額決済には非効率だと分析した。決済完了までのスピードにも課題があるとしている。

一方、AIエージェントは、旅行予約やデータ購入、コンピューティング資源の利用といった処理を自律的にこなす方向に進化しており、24時間稼働する決済手段が必要になると説明した。

こうした背景から、同社はブロックチェーン基盤の決済網に注目している。暗号資産ネイティブのブロックチェーン基盤の決済レールは、高頻度で1セント未満の超少額決済や、機械間取引(M2M)に特に適していると評価した。API呼び出しや従量課金型のコンピューティングサービスのように、24時間発生する取引とも相性が良いとしている。

ビットコインとステーブルコインについては、役割分担も整理した。ビットコイン政策研究所の研究では、統制されたシミュレーションの結果、日常的な決済手段としてはステーブルコイン、長期的な価値保存手段としてはビットコインが選好される傾向が示されたという。

BlackRockは、AI導入の拡大とエージェント型システムの高度化が進むほど、デジタル資産はAI経済のインフラを構成する中核要素になり得るとみている。この過程で、ステーブルコインやトークン化された現実資産(RWA)、ブロックチェーン決済を支えるネイティブ暗号資産の活用範囲が広がる可能性があるとした。

今回の報告は、BlackRockがこれまで示してきた暗号資産に対する姿勢とも重なる。同社は、ビットコインやトークン化資産など、ブロックチェーン基盤の活用事例に一貫して前向きな見方を示してきた。

米証券取引委員会(SEC)は2024年、BlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)を承認した。同商品はその後、ビットコイン現物ETFの中で最大の資金流入と売買高を記録したという。ETFとしては史上最も成功した立ち上がりの一つとなり、現在も670億ドル(約10兆500億円)超の資産を運用している。

BlackRockは以前、ビットコインを独自の資産クラスに属する資産と位置付けたことがある。こうした流れの中で同社は、AIが経済活動の主体として広がるほど、ビットコインとステーブルコインが単なる投資対象を超え、価値保存や決済を担うインフラ資産として活用される可能性に注目している。

Bitcoin Magazineは関連投稿の中で、「BlackRockは、AIエージェントが長期的な価値保存のためにビットコインを選ぶ可能性があるとみている」との趣旨を紹介した。

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