クラウドCRM大手のSalesforceは10月7日、Inspire Entertainment Resort(Inspire)と提携し、MICE事業におけるB2B営業のAI活用を推進すると発表した。営業データの統合を起点に、AIを活用した意思決定や商機発掘につなげる。
両社は、ホスピタリティおよびMICE分野で新たなB2B営業モデルの構築を目指す。営業データの一元化から、AIを活用した意思決定基盤の整備までを段階的に進める方針だ。
その一環としてInspireは、Salesforceの「Sales Cloud」をMICEのB2B営業組織全体に導入する。データに基づく営業管理体制を整える狙いがある。
Salesforceによると、Inspireはこれまで、グローバル旅行テクノロジー企業Amadeusの営業・宴会管理ソリューション「Delphi」を通じて、イベント予約や売上などのデータを蓄積してきた。
今後はこれらのデータを営業予測や戦略立案に生かし、入力から分析、意思決定、現場での実行までをつなぐ統合的な営業基盤を整備するため、Salesforceとの協業に踏み切ったという。
Inspireは、Delphiに蓄積したイベント・売上データと、Salesforce上の顧客情報、案件情報、営業活動データを連携させる。顧客からの問い合わせから最終受注まで、営業プロセス全体を一元管理する計画だ。
両社は将来的に、蓄積データを基にAIが営業インサイトを提示し、新たなビジネス機会の発掘を支援する「Agentic Sales」の環境へ発展させる考えだ。
Inspireのイム・ワヌMICEセールスディレクターは「ホスピタリティやMICE分野の営業は、長らく個人の経験や顧客との関係性に依存してきた。しかし今後は、そうした知見を組織のデータ資産に転換し、AIと結び付けて新たな競争力を確保する必要がある」とコメントした。
その上で「今回の協業を通じて、データに基づく予測可能な営業体制を構築したい。今後はAIが商機発掘や営業判断を支援する次世代のB2Bセールスモデルへと発展させていく」と述べた。
Salesforce Koreaのパク・セジン代表は「AI時代の企業競争力は、現場で蓄積された経験とデータを結び付け、それを新たな成長機会へ転換できるかどうかに左右される」と説明した。
さらに「Inspireとの協業は、顧客関係を軸としてきたMICE営業に、データとAIを組み合わせた新たな革新モデルを加える先行事例になる」とした。