ロシアの新車市場で、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を合わせた電動車の販売比率が急上昇した。ウクライナによるロシアの製油施設への攻撃後、ガソリン供給の混乱が深まり、需要の一部が電動車にシフトした可能性がある。
InsideEVsが6日付で報じたところによると、ロシアの自動車市場調査会社Autostatの集計では、9月下旬の1週間における新車販売のうち、BEVとPHEVの合計比率は11.5%に達した。年初の約5%から2倍超に拡大した計算だ。内訳はPHEVが8.5%、BEVが3%だった。
販売台数も増えている。6〜8月にロシアで販売されたBEVとPHEVは2万6543台で、前年同期の1万2187台を大きく上回った。ロイターによると、ロシアのガソリン生産は8月末に国内消費量の約7割相当まで落ち込み、一部地域では給油待ちや供給不足が続いた。
こうした動きを受け、「ロシアの電動車比率が米国を上回った」との見方もある。ただ、単純比較はできない。米国Cox Automotiveの集計では、8月の米国のBEV販売は7万8895台で新車販売の5.7%を占めたが、この数字にPHEVは含まれていない。米エネルギー情報局(EIA)の第2四半期データでは、BEVが6%、PHEVが1.4%で、プラグイン車の合計は7.4%だった。集計期間や基準が異なるため、ロシアの11.5%は週次ベースでは米国を上回る水準とみるのが妥当だ。
もっとも、主要市場との差はなお大きい。EUでは1〜8月のBEV比率が21.7%、PHEVが10%で、合計31.7%に達した。中国では8月の新エネルギー車の小売シェアが65.2%となり、BEVだけでも69万8000台を販売した。
ロシア市場の足元の変化は、充電インフラの整備拡大よりも、燃料供給不安が需要を急速に押し上げた側面が強い。今後も成長が続くかどうかは、車両供給や充電網の整備に加え、燃料市場の正常化が進むかどうかに左右されそうだ。