Starlink向け衛星インターネットアンテナ(写真=SpaceX)

SpaceX株が上昇し、時価総額は2兆3000億ドルを超えた。Morgan StanleyとGoldman Sachsが相次いで強気の見方を示したことが支えとなっており、Morgan Stanleyは目標株価300ドルを維持した。同行は、成長率を加味した評価ではSpaceX株は相対的に割安だとみている。

10月6日(現地時間)、ブロックチェーン関連メディアのDecryptによると、SpaceX株は同日のプレマーケットで前日比1.22%高の173.17ドルを付けた。前日の通常取引では7.63%高の171.09ドルで取引を終えた。

株価上昇の直接の材料は、Morgan StanleyとGoldman Sachsによる相次ぐ評価の引き上げだ。Morgan Stanleyのアダム・ジョナス氏は10月5日、SpaceXに対する投資判断「オーバーウエート」と目標株価300ドルを据え置いた。大手AI企業と単純なバリュエーションで比べれば割高に見える可能性はあるものの、成長率を加味すると「実質的にはより割安に映る」と評価した。Goldman Sachsのエリック・シェリダン氏も買い判断を維持し、目標株価を220ドルから230ドルに引き上げた。

終値ベースの時価総額は約2兆3200億ドル。6月の新規株式公開(IPO)時に示された公開価格135ドルと比べると、足元の株価は約28%高い水準にある。

Morgan Stanleyが重視するのは、成長率を加味したバリュエーションだ。ジョナス氏は、2028年推計ベースの企業価値に対する営業利益倍率に成長見通しを加味して比較すると、SpaceXは約0.3倍となり、AI関連の大型銘柄の比較対象群の中央値である0.5倍を約40%下回るとした。

一方、伝統的な評価手法でみると、SpaceXは2028年推計ベースで企業価値対営業利益の約30倍で取引され、比較対象群の約16倍を上回る。レポートの主眼は、評価手法によって同社の見え方が大きく変わる点にある。

300ドル目標の背景には、SpaceXの事業構成の変化もある。SpaceXの第2四半期レポートによると、AI部門の売上高は25億6100万ドルで、宇宙部門の9億6200万ドルを上回った。ただ、最大の売上高を計上したのはコネクティビティ部門で、42億9100万ドルだった。

Morgan Stanleyは事業別の価値配分でも、宇宙部門とX・グロックにそれぞれ1株当たり8ドルを反映した一方、コネクティビティ部門には118ドル、Enterprise AIには165ドルを割り当てた。目標株価300ドルを支える最大の柱がEnterprise AIであることを示している。

暗号資産市場でも関連銘柄が反応した。CoinMarketCapによると、「SpaceXのトークン化株式」は24時間で7.74%上昇し、172.78ドルで取引された。ただ、このトークン化商品はNasdaq上場株とは別市場で取引されるため、24時間の値動きをプレマーケットの株価と単純比較することはできない。

今後の株価材料として注目されるのが、Starshipの15回目の試験飛行だ。ジョナス氏は、10月末から11月初旬にかけて見込まれる同飛行を主要イベントと位置付け、Starship上段の捕獲に成功すれば、IPO後で最大の株価押し上げ要因になり得るとの見方を示した。

もっとも、SpaceXは現時点で、15回目の試験飛行の日程や、実際に捕獲を試みるかどうかを公表していない。

この飛行は、9月28日に実施された14回目の試験飛行に続くものとなる。14回目ではStarshipが初めて軌道に到達し、Starlink V3衛星26基を投入した。SpaceXは長期的に、Starshipが発射場に帰還して捕獲され、再使用される軌道運用システムの構築を目指している。市場では、投資銀行による目標株価の見直しに加え、実際の試験飛行の成果が株価の根拠をどこまで補強するかに関心が集まっている。

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