MicrosoftとMetaが、社内におけるAnthropicのAIモデル「Claude」の利用を縮小している。コスト抑制を目的に、自社製AIツールへのシフトを進めているためだ。The Informationが6日(現地時間)に報じた。
報道によると、Microsoftは年初時点で、社内でのClaude利用に少なくとも10億ドル(約1500億円)を投じる見込みだった。その後、コスト削減の一環として、従業員にClaudeではなく自社のAIツールを使うよう促し、支出見通しを3分の1超引き下げたという。
同社は「Claude Code」のサブスクリプションを絞り込み、従業員が「GitHub Copilot」経由でClaudeを利用する体制に切り替えた。Copilotの「自動」モードでは、大半のリクエストがOpenAIのモデルに振り向けられる。
The Informationによれば、MicrosoftはOpenAIとの関係を背景に、OpenAIモデルの利用料を支払っていない。従業員6万人超を抱える同社のクラウド・AI部門では、1人当たりの月間AI利用上限が10万ドル(約1500万円)から、多くの社員で1万ドル(約150万円)程度へ引き下げられたという。
Microsoftの開発者ツール部門を率いるジェイ・パリク氏は8月の社内メモで、「業務をより多くOpenAIモデルに移せば、トークンへの投資効率を高められる」と説明した。
Metaでも同様の動きが出ている。年初に約6万人だったClaude Codeの利用者は、足元では約3万人に減少した。春の人員整理も影響したが、自社のAIコーディングツール拡大の影響がより大きいとされる。
Metaのモデルを基盤とするコーディングツール「Muse Code」の利用者は6000人、社内専用の「MetaCode」は3万人超に広がった。Metaは直近28日間で、Claude Codeに1億500万ドル超(約157億5000万円)を支出したという。
もっとも、両社はいまなおClaudeの大口顧客に変わりはない。Microsoftが顧客向けに提供するCopilot機能でAnthropicのモデルを利用するために支払う金額は、年換算で少なくとも20億ドル(約3000億円)規模とされる。
顧客向け支出の増加によって、社内向け支出の減少分の大半は吸収されており、MicrosoftがAnthropicに支払う総額は年初のピーク時と同水準だとThe Informationは伝えている。
それでも、有力企業によるClaude利用縮小は、上場準備を進めるAnthropicにとって懸念材料となる可能性がある。OpenAIやGoogleなど競合各社がAnthropicより低価格のサービスを打ち出すなか、一部企業ではより安価な代替手段を探す動きも出ているという。
Microsoftの広報担当者は、社内AIコーディングの基本モデルをOpenAIに切り替えたことを認めた。一方で、エンジニアは引き続きClaudeを選択して利用できると説明している。