ビットコインのイメージ写真=Shutterstock

ビットコインが8万6000ドル台で推移するなか、短中期の移動平均線がそろって長期線を上回り、上昇基調の強まりを示している。米雇用統計の下振れを受けて追加利上げ観測が後退したことに加え、現物ETFへの資金流入も続いており、市場では8万7354ドルの上抜けが当面の焦点となっている。

Decryptによると、5日時点のビットコインは8万6100ドル前後で取引された。もっとも、直近の上値を抑えてきた8万7354ドルはまだ明確に突破していない。

チャート上では、日足の50日指数移動平均線(EMA)が200日線を上回るゴールデンクロスが9月中旬に確認された。足元では100日EMAも200日線を上抜き、中期トレンドの改善を裏付ける形となっている。

100日EMAの上抜けは、50日EMAのクロスより形成に時間を要する。このため、短期的な急騰よりも、相場の持続性を反映するシグナルとして受け止められやすい。

ビットコインは7月に6万ドル割れの水準から切り返し、その後も数カ月にわたって高値圏を維持してきた。こうした値動きを背景に、短中期の移動平均線がそろって長期線を上回った。

一方、EMAはあくまで遅行指標であり、ゴールデンクロスは相場の先行きを示すというより、すでに進んだ上昇トレンドを確認する意味合いが強い。

マクロ環境もリスク資産に追い風となっている。米労働統計局(BLS)が公表した9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が2万9000人増にとどまり、市場予想を大きく下回った。

失業率は4.2%に上昇し、賃金上昇率も前年比3.0%へ鈍化した。さらに、7月分は増加から減少に改定され、8月分も下方修正された。景気には重荷となる内容だが、市場ではFRBの追加利上げ観測を後退させる材料として受け止められ、リスク資産にはプラスに作用した。

FRBは9月16日に政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75~4.00%とした。ただ、その後の雇用鈍化を受けて、10月の追加利上げ観測は大きく後退した。

債券市場が織り込む追加利上げ確率は、雇用統計の発表前には64%程度だったが、発表後は16~22%へ低下した。前月に強い雇用指標を受けてビットコインが7万9300ドル近辺まで2%超下落した局面とは、逆の反応となった。

需給面では、上場投資信託(ETF)への資金流入も支援材料となっている。ビットコイン現物ETFは直近集計で、1日当たり1億8984万ドル(約285億円)の純流入を記録した。純資産総額は1011億ドル(約15兆1650億円)だった。

価格がレジスタンス手前でもみ合う局面でも、機関投資家マネーの流入が続いている点は、相場の下支え要因として意識されやすい。

テクニカル指標をみると、相場は過熱圏の手前にある。相対力指数(RSI)は64.7で、70超の買われ過ぎ水準には達していない。一方、トレンドの強さを示す平均方向性指数(ADX)は43.4と高く、強いトレンドが続いていることを示している。

短期的なポイントは8万7354ドルだ。このレジスタンスを明確に上抜ければ、上昇余地が広がる可能性がある。逆に突破に失敗すれば、当面はもみ合い相場が続く公算が大きい。

予測市場Myriadでは、10月中の高値到達確率として、8万7500ドルを80%、9万ドルを59%、9万5000ドルを25%、10万ドルを12%と織り込んでいる。

今週は重要イベントも控える。FRBは7日に9月会合の議事要旨を公表し、BLSは14日に9月の消費者物価指数(CPI)を発表する。次回の金融政策会合は27~28日に予定されている。

これらのイベントは、金利見通しとあわせて、ビットコインが8万7354ドルのレジスタンスを突破できるかを左右する材料となりそうだ。

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