スイスの氷河は直近5年で体積の減少幅が累計20%に達した。写真=Shutterstock

スイスの氷河は2026年に体積の約5%を失い、直近5年の減少幅は累計で20%に達した。夏の高温と冬の少雪が重なり、氷河縮小のペースが加速している。

日本のオンラインメディア「Gigazine」が10月5日付で伝えたところによると、スイス氷河観測ネットワーク(GLAMOS)とスイス科学アカデミー(SCNAT)は、2026年の氷河減少幅が、観測史上最大だった2022年に次ぐ2番目の大きさだったと公表した。

観測対象となっている主要氷河では、厚さが約2.5〜4メートル低下した。中でもアルプス最大かつ最長のアレッチ氷河では、氷河末端の最下部観測地点で厚さが13メートル縮小した。

ローヌ、アレッチ、アラリン、クラリデンの各氷河でも、それぞれ観測開始以来最大の損失を記録した。

主な要因は、夏の高温と冬の降雪不足だ。2026年5〜9月は高温の状態が続き、熱波も繰り返し発生した。冬の積雪量も少なく、氷河表面を覆う雪の反射・遮熱効果が弱まった。

6月以降は一部地域で積雪層が消失し、9月には標高3500メートルでも積雪のない地点が確認された。

一方、2022年と比べると、一部の氷河では積雪量が多く、サハラ砂漠由来のちりも少なかった。このため雪の反射効果が相対的に保たれ、過去最大の損失は免れたという。

氷河融解に伴う水の消失量も大きい。2026年7〜9月に氷河融解で失われた水量は約2兆2000億リットルに上り、スイスの全世帯による年間飲料水消費量の4倍を超えた。

SCNATは「氷河の融解水は夏場の水不足を和らげているが、氷河そのものの面積が縮小しており、その効果も急速に弱まっている」と指摘。その上で、「現在と同様の気候条件が続けば、アルプスの氷河を長期的に維持することはできない」と警告した。

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