暗号資産の承継対応ウォレットを手掛けるTomorrow Labs。写真=Tomorrow Labs

暗号資産の承継に対応したウォレットを開発していたスタートアップのTomorrow Labsが、事業を終了する。市場拡大のペースが想定を下回ったためで、同社は顧客に対し、9日までに資産を他のウォレットやサービスへ移管するよう求めている。

Fintech Futuresが5日付で報じたところによると、Tomorrow Labsは今年初め、ジョニー・ラインシュ最高経営責任者(CEO)とジェームズ・ツェ最高技術責任者(CTO)によって設立された。米カリフォルニア州サンタモニカに拠点を置き、Draper Associatesなどから資金を調達していた。

主力サービスは、デジタル資産の承継機能を備えた暗号資産ウォレット。利用者が生前に受益者を指定しておくことで、死亡後に保有資産を相続人へ移転できる仕組みを提供していた。秘密鍵の紛失や保有者の死亡によって、暗号資産にアクセスできなくなる問題の解決を目指していた。

ただ、市場の立ち上がりは同社の想定ほど進まなかった。ラインシュCEOは4日、LinkedInへの投稿で「初期データや利用者との対話を通じて、デジタル資産承継への関心は確認できたが、実際の利用に踏み切る人は多くなかった」と説明した。

その上で、「重要性は理解されているが、具体的なきっかけがない限り行動には結び付きにくい。事業継続に必要な速度で市場が成長しなかった」と述べた。

事業終了に伴い、Tomorrow Labsは顧客に対し、9日までにウォレット内の資産を他のウォレットやサービスへ移管するよう案内している。ラインシュCEOはあわせて、事業の一部買収の可能性を巡り、複数のグループと協議していることも明らかにした。

ラインシュCEOは、事業終了後もデジタル資産の承継を巡る課題は解決されるべきだとの考えに変わりはないと強調した。結果は期待に沿うものではなかったとしつつも、会社設立時に比べて暗号資産の相続・承継を巡る議論が前進した点には意義があるとの認識を示した。

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