欧州の暗号資産取引プラットフォーム21bitcoinは、顧客口座に残る未投資のユーロ残高を対象に、年1.21%の利息を付与するサービスを始めた。利息は追加の両替手数料なしで、ビットコイン(BTC)で受け取れる。
Bitcoin Magazineが1日(現地時間)に報じた。対象となるのは、口座内にあるすべてのユーロ残高だ。次回の積立購入まで待機している資金に加え、指値注文として確保されている資金も含む。最低預入額は設けず、資金拘束期間もない。
21bitcoinは、欧州で貯蓄利息をビットコインで直接支払う初の事業者だとしている。共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のダニエル・ウィンクルハマー氏は、ビットコインの資産形成は実際の購入時点ではなく、購入のために確保したユーロの段階から始まるとの考えを示した。待機資金にも収益機会を提供し、ビットコイン投資に回る前の資金までサービス対象に含める狙いがある。
利息はドイツの銀行、Volksbank Raiffeisenbank Bayern Mitte eGが支払う。同行は2023年から21bitcoinに出資している。顧客のユーロ資金は、同行の分別管理口座で、即時引き出し可能な預金として保管される。
21bitcoinは、発生した利息を全額顧客に還元し、自社の取り分は設けない方針も明らかにした。過去に複数の暗号資産レンディング事業者の破綻を招いた高利回り型の商品とは仕組みが異なると説明している。顧客資金は銀行内の分別口座で管理され、プラットフォーム側が追加利回りを上乗せする構造ではない点を強調した。
もっとも、金利は固定ではなく変動型となる。利息にはドイツの源泉徴収税も適用されるため、実際の受取額は税負担や金利変動の影響を受ける。
今回の取り組みは、21bitcoinが今年初めに投入した「手数料なし」のビットコイン積立購入商品に続くサービス拡充の一環だ。昨年には、VR-Bank Bayern Mitte eGとSopra Financial Technologyとともに、欧州でビットコイン担保ローン商品の開発に向けたパイロットプロジェクトも開始している。ビットコイン担保型の信用商品の提供を視野に入れる。
今後のサービス拡張計画も示した。21bitcoinは2027年に、ビットコイン担保ローン、保険付きコールドストレージ、マルチシグを活用した相続向け保管サービスを順次投入する予定だという。ユーロ預金への利息付与を足がかりに、売買にとどまらず、保管や融資まで含むビットコイン金融サービスへと領域を広げる構えだ。
21bitcoinは2021年設立。オーストリアでMiCARライセンスを保有し、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)の認可も受けている。利用者数は10万人超、累計取引額は6億5000万ユーロ超に達したとしている。今回の商品は、欧州の規制枠組みの下で、ビットコイン投資の待機資金まで収益化する取り組みとして注目されそうだ。