写真=Sivar

エルサルバドルと米国を結ぶステーブルコイン送金サービス「Sivar」が、エルサルバドル国内で全国展開した。提供元の米テクノロジー企業Modveonが発表した。一方で、同サービスを巡っては政府関与の位置付けについて、当局と事業者の説明に食い違いが出ている。

CoinPostによると、Modveonは9月29日(現地時間)、Sivarの全国展開を公表した。Modveonは、エルサルバドルの公的機関AABと結んだ5年契約に基づき、サービスの開発、運用、拡大を進めるとしている。

同社の公式資料では、Sivarを「エルサルバドル政府との5年契約の下で運営される初の全国規模サービス」と位置付けている。

決済インフラにはCoinbaseの基盤を採用した。ウォレット機能、米国内での資金チャージ、送金APIをCoinbaseの技術で処理し、取引はイーサリアムのレイヤー2「Base」上でステーブルコインにより決済する仕組みだ。

SivarはModveonのサービスで、Coinbaseは決済基盤を担う。正式リリース前の事前登録者は2万5000人を超えた。

米国とエルサルバドル間の送金手数料は1件あたり一律2ドル。送金は米国からエルサルバドル向けだけでなく、逆方向にも対応する。最低送金額は25ドルだ。

一方、カードやモバイル決済によるチャージ、エルサルバドル国内での現金引き出しには別途手数料が発生する可能性がある。国内ユーザー同士のウォレット間送金は無料としている。

政府関与を巡っては見解が分かれている。国家ビットコイン局は、政府がビットコインや暗号資産、ステーブルコインのウォレットを新たに立ち上げて運営する計画はないとし、Sivarを「政府ウォレット」と位置付ける報道を否定した。

同局はあわせて、既存の国営ウォレット「Chivo」の運営権は民間に移され、国家による直接運営はすでに終了したと説明した。これに対しModveonは、公的機関AABとの契約を根拠に、政府との協力事業である点を強調している。

エルサルバドルの送金市場は大きい。2025年の海外送金受取額は99億8790万ドルに上り、このうち米国発が92.4%を占めた。Modveonは、従来の国際送金に比べてコストと処理時間を抑えられる点をSivarの強みとして打ち出している。

Sivarは今後、送金にとどまらず、地域コミュニティや公的機関、商店をつなぐ総合デジタルプラットフォームへ拡大する構想も示している。ただ、政府の直接運営と民間によるサービス提供の線引きはなお明確ではなく、運営体制や責任分担の整理が課題となりそうだ。

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