オランダ政府が2028年から、投資資産の実現益に基づくキャピタルゲイン課税を導入する方針であることが分かった。ブロックチェーンメディアのBitcoin Magazineが9月30日、報じた。制度が実現すれば、Bitcoinを含む暗号資産も、保有中の推定収益ではなく売却時に確定した利益を基準に課税される可能性がある。
注目されるのは、オランダの暗号資産課税の枠組みが大きく変わる可能性がある点だ。現在はBitcoinなどの暗号資産について、実際の損益ではなく年4%の推定収益を前提に課税している。投資家ごとの実際の運用成績にかかわらず、一律の基準を適用している形だ。
オランダ内閣は9月29日、下院に送付した書簡で新たな課税制度の方針を示した。資産課税の基準を、未実現利益や推定収益から実現益へ切り替える内容が盛り込まれている。
内閣はその理由について、「オランダ経済の成長力にとって、投資を促す資産課税が必要だ」と説明した。
適用時期は資産の種類によって分かれる可能性がある。大半の金融商品には2028年から新制度を適用し、それ以外の資産は2030年に移行する方針だ。
ただ、暗号資産が2028年から対象になるのか、それとも2030年から適用されるのかは、今回の書簡では明らかにされなかった。
こうした動きは、欧州全体で暗号資産に対する税務規制が強まる流れとも重なる。EUは今年1月、DAC8指令に基づき、暗号資産取引所に対して利用者情報や取引詳細の収集と、各国税務当局への報告を求めた。
従来は銀行口座に適用してきた報告の枠組みを、暗号資産取引にも広げた形だ。
一方、欧州域内で課税基準が完全に統一されているわけではない。ドイツは1年以上保有した暗号資産を引き続き非課税としており、ポルトガルも365日超の保有分に同様の例外を設けている。
このため、オランダが実現益課税へ移行すれば、みなし運用益課税とは異なる基準で投資家負担を再設計することになる。
今後の焦点は、法案が成立するかどうかと、暗号資産への具体的な適用時期だ。特にBitcoin投資家にとっては、売却まで課税を繰り延べられる仕組みとなる可能性がある点が重要になる。
もっとも、当局がどの暗号資産をいつから金融商品として扱うかによって、市場への影響は変わる可能性がある。