Ethereumの古参大口投資家が、約9年ぶりに休眠ウォレットを動かし、保有するETHの一部を売却した。長期保有分の利益確定とみられる一方で、Ethereum現物ETFへの資金流入が続いており、市場は大きく崩れていない。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが29日(現地時間)に伝えたところによると、この投資家は2017年に平均18.8ドルで3000ETHを購入した。その後、足元の四半期ラリーで価格が高値圏に入る中、一部の売却を始めたという。
Lookonchainの集計では、このアドレスは当時Geminiから3000ETHを出金しており、初期投資額は5万6500ドルだった。今週には追加で1000ETHをKrakenの入金アドレスへ移した。
これまでに2000ETHを平均3096ドルで売却し、売却額は計619万ドルに達した。ウォレットにはなお1000ETHが残っている。Lookonchainは、売却分ベースの純利益を880万ドルと集計している。
今回の利益確定は、Ethereumが2026年第3四半期に見せた異例の強さと重なっている。CryptoRankの四半期データによると、2026年第3四半期のEthereumのリターンは72.7%となり、過去最高水準を記録した。第1四半期は29.1%下落し、第2四半期も25.3%下げたが、第3四半期に急反発した格好だ。
Ethereumはこれまで、第3四半期が相対的に弱く、値動きも荒れやすい局面とみられてきた。過去の平均リターンは9.11%、中央値は4.55%にとどまる。今回の上昇率は、2020年第3四半期の59.2%も上回った。足元の価格水準が、長期保有者の利益確定を促している可能性がある。
実際、ほかの大口保有者にも同様の動きが出ている。9月最終週には、2023年から保有を積み増してきた投資家が11万2000ETH超をBitfinexに移し、4万2005ETH規模の相対取引(OTC)売却も実施した。Bitcoinネットワークでも、4年以上動きのなかったウォレット2件が、それぞれ約4500BTCを新たなアドレスに移転した。2件の移転総額は約3億8000万ドルとされる。
もっとも、長期保有者による大規模な移動が続く中でも、市場はなお底堅さを保っている。機関投資家マネーの流入が売り圧力を吸収しているためだ。SoSoValueとFarside Investorsの集計によると、規制下のEthereum現物ETFでは7営業日連続で資金純流入が続き、直近の週間流入額は6億8980万ドルを超えた。
Ethereum現物ETFの総運用資産は176億9000万ドルに拡大した。Ethereum全体の時価総額の約5.4%に相当する。長期保有の大口投資家が利益確定を進める局面でも、ETF経由の資金が相場を下支えしており、今後のEthereum価格が追加の売りをどこまで吸収できるかが市場の焦点となっている。