MathWorksは、MATLABとSimulinkの最新版「Release 2026b(R2026b)」を発表した。新製品3種を追加したほか、航空宇宙、組み込みシステム、人工知能(AI)、認識、オーディオエンジニアリング、統計解析の各分野で機能を強化した。
R2026bでは、新たに「Simulink Variant Manager」「Visual Inspection Toolbox」「Polyspace Test Server」を投入した。複雑化するエンジニアリング開発に対応し、設計の選択肢や構成管理、検証作業の効率化を支援する。
同社によれば、近年のエンジニアリングシステムでは、ソフトウェアやエレクトロニクス、AIの連携が一段と深まっている。その結果、開発チームでは複数の設計案や構成の管理、設計検証の負荷が増しており、R2026bはこうした課題の解消を狙う。
Simulink Variant Managerは、複雑なモデルやシステムアーキテクチャ全体にまたがる製品バリアントの管理を支援する。開発プロセス全体で一貫性やトレーサビリティ、チーム間のコラボレーション向上につなげる。
Visual Inspection Toolboxは、AIと画像処理を組み合わせ、製造業や産業用途向けの外観検査アプリケーションの開発と展開を簡素化する。あわせて、Point Cloud Toolboxでは、LiDAR、カメラ、レーダー、SLAMベースのアプリケーション向けワークフローを拡張した。
Polyspace Test Serverは、継続的インテグレーション(CI)環境におけるC/C++組み込みソフトウェアのテストとコードカバレッジ解析を自動化する。手作業による検証負荷の軽減と規制対応を後押しするという。
MATLABでは、TOMLベースのプロジェクトファイル、File Exchange経由のパッケージ管理、Google Sheets連携を新たにサポートした。Simulinkでは、Simulink Copilotが生成するAIベースのプロファイリングインサイトを利用できる。Deep Learning Toolboxでは、PyTorchモデルをMATLABやSimulinkと組み合わせて実行できるようにした。
アビナシ・ネヘミア氏(MathWorks設計自動化部門プロダクトマネジメント・マーケティング統括)は、「R2026bは、エンジニアリングチームが設計、シミュレーション、テスト、デプロイの各ワークフローをつなげるのを支援する。複雑性の管理に費やす時間を減らし、構想段階から製品化までをより迅速に進められるようにする」とコメントした。