予測市場プロトコルのTruoは、運用基盤をBaseからEthereumメインネットへ移行する方針を明らかにした。既存市場は直ちに終了せず維持し、新規市場は今後Ethereum中心に切り替える。TRUEトークン保有者の移行期限も設けない。
Truoは22日、公式Xでこうした方針を公表した。利用者が希望するタイミングで移行できるようにし、期限を区切らず段階的に基盤を移す考えだ。
Truoは2025年3月にBase上で立ち上がった完全オンチェーン型の予測市場プロトコル。利用者はUSDCを担保に、利回り付きステーブルコイン「TYD」を発行し、予測市場のYes/No型二者択一市場で証拠金として利用できる。
今回の移行では、Base上の市場を一括で閉鎖する方式は採らない。Truoは利用者に対し、2027年1月31日以降を満期とする新規市場をBase上で開設しないよう案内した。
この日以降に満期を迎える新規市場については、Ethereumメインネット移行後にEthereum上で開設するよう求める。一方、2027年1月31日以前に満期を迎える市場は、従来通りBase上で作成できる。
移行期間中も既存市場の取引や決済、償還は継続する。担保として預けたTYDの利回りも維持されるという。
Ethereum移行後も、既存のBase市場へのアクセスは維持する方針だ。移行後に満期を迎えるBase基盤の市場についても、公式アプリを通じて引き続き利用できるよう支援する計画としている。
Truoは移行理由について、Baseは初期段階の実験的なアプリケーション構築には適していた一方、長期的には、より広い普及、パーミッションレスな運用、高い不変性を備えた基盤が必要だと説明した。その条件に最も合致するプラットフォームとしてEthereumを選んだとしている。
移行後の課題としては、まず流動性の確保が挙がる。Truoは主要市場カテゴリーの流動性確保を最優先課題に据えており、Base上で形成された既存の流動性と利用者を、どこまで円滑にEthereumメインネットへ移せるかが焦点となる。
予測結果を判定するオラクルの整備も、主要な開発課題と位置付けた。予測市場では、特定事象の結果をいかに客観的に判定し確定するかが、取引と決済の根幹を成すためだ。Truoは、結果判定を巡る紛争の可能性を抑え、公正性と正確性を高める次世代オラクルの構築を進める方針を示した。
今回の決定には、Ethereum共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏も反応した。ブテリン氏はXで、分散性と倫理性を重視する新たな予測市場の担い手が現れた点を前向きに評価した。
ブテリン氏はこれまで、予測市場業界が投機性の強い、あるいは賭博色の濃いコンテンツに偏りがちだと批判してきた。今回のTruoへの反応も、予測市場は単なる賭けの場にとどまらず、分散化と情報生産という本来の機能を強めるべきだとの問題意識を反映したものとみられる。
今回の移行で問われるのは、単にブロックチェーン基盤を移すことではない。Ethereum上で安定した運用体制を構築し、十分な流動性を確保できるか。さらに、オラクルを通じて結果判定の信頼性をどこまで高められるかが、今後の競争力を左右するカギとなる。
とりわけ、Base上の既存市場を継続する以上、利用者と流動性がどの程度のペースでEthereumへ移るかは大きな注目点だ。Truoの今回の判断が、予測市場エコシステムにおけるEthereumの役割拡大と、新たなオンチェーン市場の構造形成につながるかが注目される。