中国の農業用ドローン。写真=DJI

中国の農業用ドローンの年間処理面積が、米国の約30倍に達していることが分かった。米メディアCleanTechnicaが20日付けで報じた。

報道によると、中国では2026年初めの時点で植物保護ドローン約30万9000機が運用されており、2025年の年間処理面積は約2億300万ヘクタールだった。

ここでいう処理面積は実際の農地面積ではなく、延べ作業量を示す。同じ農地に3回散布すれば、3ヘクタール分として集計される。

中国はこの1年で、機体数を約5万8000機、年間処理面積を約2500万ヘクタールそれぞれ積み増した。2024年時点でも、農業用ドローン約25万1000機が1億7800万ヘクタールを処理していた。

一方、米国でも同様の技術導入は進んでいるが、規模の差は大きい。米国スプレードローン連合による2025年の業界調査では、認可を受けたPart 137運用者の年間処理面積は約1640万エーカーと推計された。ヘクタール換算では約664万ヘクタールに相当する。

両国で集計方法が異なるため、単純比較はできない。それでも全体の処理規模には、およそ30倍の開きがあることが示された。

この差は、農地面積だけでは説明しにくい。比較対象となった耕地面積は、中国が約1億2800万ヘクタール、米国が約1億3300万ヘクタールと近い水準だったが、中国では農地1ヘクタール当たりの作業回数がより多かった。

成長率だけを見れば、米国市場が急速に拡大しているようにも映る。ただ、絶対的な増加幅は中国が大きい。2025年の中国の年間処理面積の増加分は約2500万ヘクタールで、米国の防除ドローン市場全体の推計規模を数倍上回るという。

米国での伸びは、農業用ドローンが中国の小規模区画や水田向けに限られた機材ではないことも示している。米国では大型トラクターや自走式散布機、有人航空による農業サービスが発達している。それでも防除ドローンの作業が急増しているのは、異なる農業環境でも実需があることを意味する。

欧州でも同様の動きはみられる。中国製の農業用ドローンは欧州の複数市場で入手できるが、実際の普及規模には中国と大きな差がある。機材へのアクセスだけで大規模な運用産業が立ち上がるわけではなく、規制、契約、整備、農業運営体制が一体で整う必要がある。

焦点は機体そのものより、運用を支える体制にある。中国ではドローンが現場で使う機材として定着する段階に入りつつあり、今後は老朽機の更新や新型機の性能向上、反復作業を通じた運用改善の重要性が高まりそうだ。

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