シンガポールが、暗号資産投資家にとっての移住・定住環境を評価する国別ランキングで4年連続の首位となった。規制の整備状況や金融インフラ、政府主導の施策、税制面の優位性が高く評価された。
Henley & Partnersは8日、報告書「Crypto Wealth Report 2026」を公表した。この報告書についてCoinpostが17日に報じた。
報告書に盛り込まれた「Henley Crypto Adoption Index」は、居住権や市民権の取得ルートを提供する36カ国を対象に、暗号資産インフラ、規制、税制、イノベーション環境などを比較したもの。単純な暗号資産の普及率を示すランキングではないとしている。
順位はシンガポールに続き、アラブ首長国連邦(UAE)、香港、米国、スイスの順。マルタ、タイ、英国、キプロス、バハマがこれに続いた。
報告書によると、UAEは暗号資産関連の税制面で、米国は普及の広がりという点で、それぞれ満点を獲得した。
シンガポールについては、政府主導で資産のトークン化やデジタル通貨、越境決済事業を推進してきた点を評価した。成熟したフィンテック産業に加え、税制面の優位性も順位を押し上げたとしている。
報告書はあわせて、暗号資産投資手法の変化にも言及した。CoinSharesの共同創業者ジャンマリ・モグネティ氏は、「ETFを利用しても、ビットコイン価格下落リスクがなくなるわけではない」と指摘した。
また、2026年第2四半期には暗号資産市場全体の時価総額が12.6%減少する一方、Hyperliquid(HYPE)は76.7%上昇した例を挙げたうえで、買いと売りのポジションを組み合わせ、市場方向へのエクスポージャーを抑える「デルタ・ニュートラル」戦略を紹介した。ただ、この戦略でも損失リスクを完全に回避することはできないとした。
ステーブルコインを巡る課題にも触れた。報告書の寄稿者グルニート・カウル氏は、「ステーブルコインは国際送金インフラとして拡大しているが、法定通貨への換金時に追加の手数料や時間を要する可能性がある」と分析した。
さらに、USDTとUSDCで流通量の約83%を占める市場集中も、リスク要因として挙げた。