SK onは9月17日、L&FとLFP正極材の供給契約を締結したと発表した。契約額は約1600億ウォン(約176億円)で、期間は同日から2028年12月31日までとした。調達した正極材は、韓国・瑞山工場と米ジョージア州工場のESS向けLFPセル生産ラインに投入する。
契約締結式は、ソウル市鍾路区のSK onカンフンキャンパスで開かれた。SK onのキム・ソンタン原材料購買室長、L&Fのイ・ビョンヒ最高執行責任者(COO)らが出席した。
LFP電池は、リチウム、リン酸、鉄を主原料とし、正極材はその中核材料に当たる。両社は今回の契約を通じ、韓国国内でLFP正極材の調達体制を整える。世界の電池サプライチェーンで脱中国の動きが強まるなか、非中国材料の確保を見据えた協業と位置付ける。
調達した正極材は、SK onの忠清南道・瑞山工場と米ジョージア州工場でのESS向け生産に活用する。瑞山工場では、総生産能力7GWhのうち3GWhをESS向けラインに転換し、来年上期の納品開始を目指す。ジョージア州工場でも、一部ラインをESS専用へ切り替える作業を進めている。
SK onは今年2月、韓国の第2次ESS中央契約市場の入札で、全565MWのうち284MWを受注した。8月には米ESS企業のNeoVolta PowerともLFPセル供給契約を結んでおり、事業領域を広げている。
L&Fにとっては、7月に米電池技術企業と結んだ供給契約に続く、約2カ月ぶりの新規受注となる。供給は、昨年8月に設立したLFP事業子会社のL&F Plusが担う。
L&F Plusは、大邱・達城郡の国家産業団地に3380億ウォン(約372億円)を投じ、LFP正極材の専用工場を整備した。同工場は今年5月に竣工し、7月31日には韓国で初めて量産ラインの試作品を出荷したとしている。
SK on向け製品は、一般的なLFP正極材よりエネルギー密度を高めた第3世代の高密度LFP正極材となる。圧縮密度は2.50g/cc以上で、従来のLFP材料が抱えてきたエネルギー密度の低さを補ったと説明している。
L&F Plusは、2027年上期までに最大6万トン規模の生産能力確保を計画する。需要拡大に応じた追加増設も検討している。
両社は今後、市場環境や供給実績、顧客需要などを踏まえ、2028年以降について最大3年間の契約延長を協議する。延長が実現すれば、中長期の協業関係に発展する見通しだ。
SK onのキム・ソンタン原材料購買室長は「世界のESS電池市場でサプライチェーンの脱中国化が本格化するなか、中長期の供給契約を通じて高品質な韓国産LFP正極材を先行確保した。今回の契約により、SK onのLFP電池材料の競争力は一段と高まる」とコメントした。
L&Fのイ・ビョンヒCOOは「今回の契約は、L&FのLFP製品の競争力、顧客対応力、早期量産能力が評価された結果だ。安定した量産体制と差別化した製品競争力を基盤に、ESSと普及型EV市場での顧客基盤を継続的に広げ、世界の非中国LFP供給網を主導する中核材料企業へ成長したい」と述べた。