画像=ChatGPT

米財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、海外の詐欺拠点による暗号資産投資詐欺への対応を強化する。銀行や信用組合、暗号資産交換業者、証券会社に対し、関連する疑わしい取引の詳細な報告と、金融機関同士の情報共有を促した。関連する届け出に記載された取引額は約127億ドルに達しており、不正資金の流れを追跡する体制づくりが課題になっている。

TechRadarが17日に報じたところによると、FinCENは海外詐欺拠点に関連する疑わしい取引について、金融機関に対し、報告内容の精度を高めるよう要請した。

FinCENが分析した2023年9月から2025年末までの銀行秘密法関連の届け出は3万3904件だった。疑わしい取引の総額は約127億ドルに上ったが、これは実際の確定被害額を示すものではない。未遂に終わった取引と完了した取引が併記されているほか、同じ資金移動が重複して報告されている可能性もあるためだ。

FinCENはあわせて、海外詐欺拠点の関与が疑われるケースを示す報告用キーワード「FIN-2026-SCAMCENTERS」を設定した。金融機関には、チャットの記録、詐欺犯の電話番号、ソーシャルメディアのアカウント、暗号資産ウォレットのアドレス、トランザクションハッシュ、関連URLなど、把握している情報の提出も求めた。

狙いは、金融機関ごとに分散している取引情報を突き合わせ、不正資金の流れを全体として把握しやすくすることにある。銀行が確認できるのは交換業者向けの送金にとどまり、交換業者は暗号資産の購入や外部送付しか把握できない場合が多い。個別の届け出だけでは資金移動の全容をつかみにくいため、FinCENは関連法に基づく自発的な情報共有にも積極的に参加するよう求めた。

FinCENの迅速対応プログラムは、2015年以降、米国の被害者5790人に関連する詐欺資金約18億ドルの移転を阻止し、10億ドル超を回収した。ただし、これらは暗号資産投資詐欺に限った実績ではなく、複数のサイバー金融詐欺を含む数字としている。

海外の詐欺組織が銀行と暗号資産交換業者を経由して資金を動かす実態を踏まえると、被害拡大を防ぐうえでは、金融機関間の情報共有と迅速な届け出が引き続き重要になる。

キーワード

#暗号資産 #FinCEN #米財務省 #疑わしい取引 #暗号資産投資詐欺 #金融犯罪
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.