Deutsche Bankは、欧州の機関投資家および企業顧客向けに、暗号資産カストディサービスを年内に開始する計画だ。MiCAに基づく認可取得を進めており、ライセンスは10月にも取得する見通しだ。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphが16日(現地時間)に報じた。認可手続きが予定通り進めば、年内に最初の顧客への提供を始める方針という。
当初の対象資産は、ビットコインとイーサリアム、一部のステーブルコイン。優先対応銘柄には、CircleのUSDCとEURC、AllUnityが含まれる。今後は、トークン化金融商品へと受託範囲を広げる方針だ。
今回のサービスについて、同行はEUの暗号資産市場規則(MiCA)に基づく認可を申請している。広報担当者のハインリヒ・フロムスドルフ氏は、10月のライセンス取得を見込むと説明した。一方で、実際の開始時期は規制当局の審査状況に左右されるとしている。
Deutsche Bankは2023年、スイス拠点のデジタル資産インフラ企業Taurusとの協業を通じて、暗号資産カストディ事業計画を初めて公表した。当時、ドイツでデジタル資産受託ライセンスも申請していた。
今年6月には、デジタル資産部門責任者のサビ・ベフジャド氏が、ステーブルコイン市場への参入可能性に言及した。自社トークンの発行を含む選択肢を検討していることも明らかにしており、受託にとどまらず、発行・流通分野まで事業を広げる可能性があるとの見方が出ていた。今回の計画は、そうした事業拡大の流れを具体化する動きといえる。
欧州の規制整備も追い風となっている。MiCAは7月に全面施行となり、大手金融機関が暗号資産の受託や取引、ステーブルコイン関連サービスを規制下で展開しやすい環境が整いつつある。
ドイツの銀行業界でも同様の動きが広がっている。LBBW(ランデスバンク・バーデン=ヴュルテンベルク)は2024年4月、オーストリア拠点のBitpandaと組み、機関投資家向けカストディサービスを開始した。DZ Bankも2025年12月、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)からMiCAに基づく認可を取得し、「meinKrypto」プラットフォームの運営承認を得たと発表している。
Deutsche Bankは、金融安定理事会(FSB)が指定するグローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の一角を占める。MiCA認可の取得後、年内に初期顧客向けの提供を実際に始められるかが次の焦点となる。