アフリカ有数の製油会社Dangote Refineryが14日、新規株式公開(IPO)の申し込み受け付けを開始した。これに合わせて金融プラットフォームのNectaFiも、ステーブルコインを使ったオンチェーン申込の提供を始めた。従来の資本市場とブロックチェーン基盤の投資インフラを接続する事例として注目を集めている。
ブロックチェーンメディアのCoinpostによると、NectaFiを通じた投資家は、保有するステーブルコインで同IPOに参加できる。NectaFiはGetEquityの資本市場インフラを基盤に構築されたサービスで、米ドルやナイラに加えてステーブルコインでの申し込みにも対応する。
GetEquityがSolana Summit Nigeriaで公表した資料によると、同社の利用者数は2万2000人超、累計取引額は20億ドルに達した。
今回のIPOでは、最低申込額を1万ナイラ相当のステーブルコインまたは米ドルに設定した。公募価格は1株525ナイラ、売り出し株数は41億株。全株が消化された場合の調達額は最大2兆1500億ナイラとなる。申込期限は10月13日だ。
案件の規模も市場の関心を集めている。Dangote Refineryは日量65万バレルの原油を処理できる大型製油所を運営しており、2023年5月に稼働を開始した。2026年2月には設計上の処理能力に到達したと同社は説明している。海外メディアは今回のIPOについて、アフリカ史上最大級の株式売り出しの一つと位置付けている。
公募は新株発行ではなく、既存株主が保有株の一部を売り出す方式で実施する。投資目論見書に記載された1ドル=1319.54ナイラの為替レートで換算すると、企業価値は約490億ドルとなる。Dangote側は既存株の約3%のみを売却し、既存株主への影響を抑える構成を採った。
今回のIPOで特徴的なのが、オンチェーンでの申込対応だ。NectaFiとGetEquityは、オンチェーンで申し込んだ投資家向けにDPRIトークンを発行している。DPRIはSolanaとBase上で発行され、ブロックチェーン上で申込持分を表す。
初動のオンチェーン需要も出ている。Afrifluxの集計によると、15日午後2時30分時点のオンチェーン申込額は925万ナイラだった。発行済みDPRIは76万1905個で、このうち買い手の保有分は1万7618個と全体の約2.3%を占めた。
プラットフォーム別では、NectaFiが純申込株式の79.1%を占めた。ブロックチェーン別では、Solanaがオンチェーンの買い注文の64.1%を占有した。ステーブルコインを使った株式申し込みが、実際の投資需要につながっていることを示す動きといえそうだ。
今回の事例は、アフリカの資本市場とブロックチェーンインフラの接点を示すものでもある。これまで現地通貨や米ドルが中心だった株式申し込みにステーブルコインを組み合わせ、申し込み持分をトークンで表現する仕組みが導入されたためだ。
もっとも、現時点でのオンチェーン申込額はIPO全体の規模からみればまだ初期段階にある。申込期限までにステーブルコイン経由の資金がどこまで積み上がるか、またSolanaとBaseのどちらに需要が集まるかが今後の焦点となる。
Dangote RefineryのIPOが順調に完了すれば、大型の伝統的金融商品の公募プロセスにステーブルコインとブロックチェーン基盤を組み合わせた事例として位置付けられる可能性がある。とりわけ、初期のオンチェーン注文でSolanaが6割超を占めたことから、ブロックチェーン基盤を通じた実物資産投資の広がりを占うケースとしても関心を集めそうだ。