米国の暗号資産規制を巡る立法は再び足踏みした。写真=Shutterstock
|

米上院で、暗号資産の包括的な規制枠組みを定める「Clarity法」の審議入りに向けた動議が否決された。業界団体のStand With Cryptoはこれを受け、議員の投票行動を中間選挙での判断材料として可視化し、政治的な働きかけを強める方針を示した。

ブロックチェーンメディアのCoinPostによると、Stand With Cryptoは16日(現地時間)に声明を発表し、採決結果に失望を表明した。上院議員の投票行動を同団体の「成績表」に反映するとしている。

否決されたのは、法案の本格審議入りに必要な手続き上の採決だ。上院は16日、審議開始に必要な60票を確保できず、賛成は49票にとどまった。

Clarity法は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の規制権限を整理し、デジタル資産市場に関する包括的な規制枠組みを整備することを柱とする。

Stand With Cryptoは今回の否決を、業界と有権者の双方にとって重要な政治課題と位置付けた。事務局長のメイソン・ライナウ氏は、今回の採決について「指導力の欠如」だと批判した。

同氏は、米国には暗号資産保有者が6700万人いるとしたうえで、そうした人々が資産を安全に利用し、開発を進め、投資できる明確なルールを長年待ち続けてきたと訴えた。

また、規制整備の遅れに伴うコストにも言及し、対応が遅れるたびに米国の技術革新や雇用、投資資金が海外に流出していると主張した。

Stand With Cryptoは、Clarity法を300万人規模の草の根支持層にとって最優先の政策課題に位置付け、今後も法案成立に向けたロビー活動を続ける考えを示した。

採決不成立の背景には、与野党の対立もあった。民主党は、トランプ一族の暗号資産事業を制限する倫理条項の内容に懸念を示した。一方、共和党は採決直前に示された民主党の代案を受け入れなかった。

妥協点を見いだせないまま、法案は本格審議に進めなかった。

Stand With Cryptoは11月の中間選挙を前に、暗号資産に友好的な下院議員候補への支持を表明している。今回の上院採決についても、各議員の投票結果を成績表に反映し、有権者の判断材料として活用しているという。

業界では、法案の可決の可否に加え、議員個々の立場が選挙戦でどこまで争点化するかにも注目が集まっている。

反対票を投じた上院議員50人のうち14人は、11月の中間選挙で改選対象となる。このうち民主党が12人、共和党が2人で、5人はすでに引退の意向を示している。

もっとも、暗号資産政策がすべての有権者にとって主要な投票判断材料になるとは限らず、業界団体の動きが選挙結果に直結するかは不透明だ。

今回の採決は、米国の暗号資産規制を巡る立法が依然として政治対立に大きく左右されていることを改めて示した。Stand With Cryptoはこの結果を受け、中間選挙をにらんだ対応をさらに強化する構えだ。

キーワード

#暗号資産 #Clarity法 #米上院 #SEC #CFTC #Stand With Crypto #中間選挙
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.