新車へのAMラジオ搭載を義務付ける法案を米下院が可決した。写真=Rivian

米国で、新車へのAMラジオ搭載を義務付ける法案が下院を通過した。法案が成立すれば、自動車メーカーは追加料金を徴収せずにAMラジオを標準装備として提供する必要がある。

TechCrunchによると、米下院は16日(現地時間)、超党派の支持を受けて「AM Radio for Every Vehicle Act」を可決した。法案は、米運輸省に対し、新車へのAMラジオ搭載を義務付ける規則の整備を求める内容だ。

背景にあるのは、災害時の情報伝達手段の確保だ。AMラジオは遠距離まで届きやすく、停電や通信障害が発生した際にも緊急情報を伝える手段として重要視されている。

放送業界や緊急対応団体も、災害時にドライバーが情報へアクセスできるようにすべきだとして、義務化を後押ししてきた。

上院では、エド・マーキー議員とテッド・クルーズ議員が法案を共同提出している。共同提出者は60人に上り、超党派の支持は広がっているが、上院通過は今後の立法手続き次第となる。

一方、自動車業界では車両のデジタル化が進む中、従来型のAM受信機を省く動きが続いている。特にEVメーカーは、電動モーターに起因する電磁干渉によって、AM放送の受信品質や音質が低下すると主張している。

TeslaはModel 3とModel YにAM受信機を搭載していない。RivianのR2もAM/FM受信機の代わりに、iHeartRadioを通じたデジタル配信に対応する。

BMWとVolvoも一部車種でAMラジオを外しており、Fordは一時的に受信機を取り外した後、方針を転換した。

もっとも、インターネット経由の配信は通信網が途絶えた場合に利用が制限される可能性があり、この点で従来のAM受信機とは性格が異なる。

法案は今後、上院通過と大統領署名を経て発効する。成立した場合、米運輸省は1年以内に関連規則を整備しなければならない。

自動車のデジタル化が進む中でも、災害対応の観点から従来型の受信機能を維持する必要があるのかが焦点となっている。

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