米上院で暗号資産関連法案「Clarity法」の審議入り動議が否決された。ただ、反対票を投じた民主党議員らは、法案成立に向けた超党派協議は継続する考えを示している。
Coinpostによると、反対票を投じた民主党議員7人は17日(現地時間)、共同声明を発表し、今回の採決結果は暗号資産立法の議論終結を意味するものではないと強調した。
声明では、民主党がこの2年間、機会拡大や消費者保護、不正事業者への対処、規制の明確化に加え、選挙で選ばれた公職者に対する倫理規定の強化を柱に、暗号資産関連の制度整備を進めてきたと説明した。声明に名を連ねた議員としては、アンジェラ・アルソブルックス、コリー・ブッカー、キャサリン・コルテス・マスト、ルーベン・ガジェゴ、マーク・ワーナー、ラファエル・ワーノックらが含まれる。
議員らは「今週の結果は一時的な後退にすぎず、この重要な取り組みの終わりではない」とし、超党派協議を通じて法案成立を引き続き目指す方針を改めて示した。反対票を投じたとしても、交渉そのものを打ち切る考えはないことを明確にした格好だ。
きっかけとなったのは、16日に上院で行われたClarity法の審議入りを巡る手続き採決だ。採決は49対50で否決され、可決に必要な60票には届かなかった。民主党議員7人に加え、共和党からもスーザン・コリンズ、ジョシュ・ホーリー、ジェリー・モラン、トム・ティリスが反対に回った。
民主党側が問題視した最大の争点は倫理規定だった。当局者や公職者が暗号資産事業を通じて利益を得ることを防ぐ仕組みが不十分だと判断したためだ。ルーベン・ガジェゴは採決前、共和党側の修正案について、規制強化より私益を優先していると批判しており、法案の中身そのもの以上に、利益相反をどう防ぐかが焦点として浮上した。
一方、市場関係者の間では、年内成立の可能性がなお残るとの見方もある。JPモルガンのアナリスト、ケネス・ワシントンらは16日付のメモで、Clarity法が年内に成立する余地は残されているとしつつ、残された時間は限られてきたと分析した。中間選挙前の上院日程のうち、実質審議に充てられる期間は約2週間半にとどまるため、当面の関心は米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)による規則整備に移る可能性が高いとも指摘した。
Galaxy Digitalの最高経営責任者(CEO)、マイク・ノボグラッツも、今回の否決は倫理規定を巡る与野党対立が主因との見方を示した。今後はSECとCFTCの規則整備が先行し、それが中長期的に立法につながる可能性があるとみている。
今後の焦点は、民主・共和両党が倫理規定の文言を再調整し、上院で再び採決に持ち込めるかどうかにある。あわせて、議会での立法が遅れる間に、SECとCFTCがどこまで規則整備を前倒しできるかも重要な論点となる。上院での採決は否決されたものの、米国の暗号資産規制の枠組みを巡る議論はなお続いている。