韓国コンテンツ振興院は9月17日、Kカルチャー産業の強化に向けた新たな4戦略と10の重点課題を公表した。コンテンツIPの事業化や海外展開の支援を軸に、金融、人材、AI・文化技術分野の支援体制を強化する。
同院は今回の施策について、「Kコンテンツを超え、Kカルチャー産業をリードする中核機関として再飛躍する」ための取り組みと位置付けた。
4戦略は、(1)Kカルチャー産業の総括機能強化(2)コンテンツIP競争力の強化(3)コンテンツ産業の成長基盤強化(4)現場中心の組織運営と将来対応体制の構築、の4つ。
まず、コンテンツと食品、化粧品、ファッションなど関連産業を一体で扱う「Kカルチャー輸出パッケージ」を整備する。企画から海外マーケティング、流通、契約まで輸出の全工程を支援するほか、既存の海外広報館「コリア360」は、コンテンツIPと関連産業を合わせて扱う複合型の輸出拠点へ拡張する。
海外ビジネスセンターも再編する。現在、25カ国28地域で運営する拠点を、圏域拠点と連携拠点を軸とする体制に見直す。市場開拓、ローカライズ、企業マッチング、契約、事業化、事後管理まで支援範囲を広げるほか、各国の市場、通商、法制度に関する情報を提供する「Kコンテンツ統合情報システム」も構築する。
コンテンツIPの事業化支援も拡充する。優良IPを選定し、制作会社、投資会社、金融機関、プラットフォーム、国内外の配給・流通会社をつなぐ「韓国型制作委員会(仮称)」の推進を打ち出した。ジャンル別に分かれている企画、制作、流通、事業化、海外展開の各支援事業も連携させる。
あわせて、民間投資と政府支援を組み合わせた「KIPS(K-content IP Scale-up、仮称)」を新設する。成長性のあるコンテンツ企業の資金確保と、IPへの投資誘致を後押しする狙いだ。
金融支援の対象も広げる。コンテンツ企業向け特化融資は、従来の放送・映像に加え、ゲーム、アニメーション、音楽まで対象ジャンルを拡大する。関連予算は100億ウォンを積み増し、総額370億ウォン規模とする計画だ。
人材支援では、コンテンツ産業への新規参入を目指す人材向けの実務体験支援を拡大する。支援人数は従来の約200人から約1000人へ増やし、支援期間も最長10カ月に延ばす。
文化技術の研究開発も強化する。超没入型・没入型の公演技術の開発に向け、総事業費1000億ウォン以上規模の事業を推進する。あわせて、博物館や図書館など文化空間の整備と、文化芸術データの知能化も支援する予定だ。
支援事業の評価制度も見直す。評価委員の公募サイクルを短縮し、能力評価方式を改善するなど、現場の専門家を中心とした選定・評価体制を強化する。産業や政策の変化に対応できるよう、組織体制と職員の専門性向上も進めるとしている。
同院が引用した「2025年 年間コンテンツ産業動向分析」によると、昨年の韓国のコンテンツ産業の売上高は161兆4839億ウォンと、前年比2.6%増だった。輸出額は149億582万ドルで、同5.9%増となった。
キム・ユンジ院長は、「放送・映像、ゲーム、音楽などジャンル別支援の強化にとどまらず、コンテンツIPの拡張、海外展開、金融、人材育成、新技術支援まで含めて支援体制を革新する」と述べた。その上で、「KコンテンツからKカルチャーへとつながる新たな成長基盤を整えていく」と語った。