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ピーター・シフ氏は、米連邦準備制度(Fed)がすでにインフレ抑制に敗れており、今後も金利上昇が続けば、ビットコインを含む暗号資産市場に強い下押し圧力がかかるとの見方を示した。

Bitcoin Magazineが16日(現地時間)に報じたところによると、シフ氏はグレース・レミントン氏、ショーン・ヘイガン氏との対談で、債券市場の不安定化、米国債利回りの上昇、ドルの購買力低下、各国中央銀行による金購入の拡大を、一連のマクロ環境の変化として語った。

シフ氏は、足元の債券市場の混乱は突発的な現象ではなく、2020年の時点ですでに構造的なひずみが生じており、その後は「スロー・リワインド」の局面にあると述べた。債券の弱気相場がいつまで続くかとの問いに対しては、短期的な値動きよりも構造的な圧力が重要だと指摘。物価を実際に押し下げるには、支出の抑制と一段と高い金利が必要だとの認識を示した。

一方で、こうした対応は景気後退を伴う可能性が高いにもかかわらず、政策当局や政界は受け入れていないと批判した。Fedの追加利上げについても、市場を驚かせることはあっても、実質的な信認回復にはつながりにくいとし、「見せかけの利上げ」だと表現した。信認を伴わない引き締めでは、インフレ期待の抑制は難しいとも述べた。

暗号資産を取り巻く市場環境については、追い風ではないとの見方を示した。金利がさらに上昇し、株式市場が調整すれば、ビットコインを含む暗号資産全般にとって強い逆風になると主張。ワシントンでも政治的な関心は暗号資産から離れつつあるとした。金とビットコインの相対的な値動きについては、金価格が5500まで上昇する一方、ビットコインは高値から23%出遅れていると指摘した。

また、ビットコインを金建てでみると、2021年の時点ですでに天井を付けていた可能性があるとも述べた。この点を巡っては、ビットコインの価値を何が支えているのかについて、シフ氏と司会者側の見解が鋭く対立した。シフ氏は、貨幣の基盤や価値保存手段としての条件を重視する立場を示し、司会者側はデジタル資産としてのビットコインの特性を挙げて反論した。

対談の後半では、トークン化された金とビットコインの比較も議題に上った。シフ氏は両者を分ける本質的な違いとして、カウンターパーティーリスクと裏付け資産の有無を挙げた。金トークンは現物の金を裏付けに持つ一方、ビットコインにはそうした裏付けがないという従来の主張を改めて示した。これに対し司会者側は、ビットコインは特定の発行主体に依存せず機能するネットワーク資産だと強調した。

今回の発言は、金とビットコインのどちらが価値保存手段として優位かを巡る対立を改めて映し出す内容となった。シフ氏は、ドル危機の初期局面に入る可能性と中央銀行の金選好を結び付け、こうした局面でビットコインが防衛的な資産として機能するとの見方には距離を置いた。今後は、Fedの金融政策判断や米国債利回りの動向、株式市場の調整の有無が、ビットコインと金の相対的な強弱を左右する焦点となりそうだ。

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