英金融行為監督機構(FCA)は、暗号資産事業のうち新制度で認可対象となる業務を定めた最終指針を公表した。申請受け付けは9月30日に始まる。既存の登録事業者であっても新制度へ自動移行はされず、必要に応じて改めて認可取得や既存認可の見直しを求められる。
Cointelegraphの16日付報道によると、FCAは今回の指針で、各社が自社サービスが規制対象に当たるかどうかを事前に判断できるようにした。対象業務としては、適格ステーブルコインの発行、暗号資産取引プラットフォームの運営、取引の仲介、暗号資産の保管、暗号資産ステーキングの仲介などを挙げている。
今回の制度設計で特に重要なのは、既存の登録や認可がそのまま新制度に引き継がれない点だ。すでに英国で事業を展開している企業も、自社が新たにFCAの認可を要するのか、あるいは既存認可の変更が必要なのかを個別に確認する必要がある。新制度の施行後は、過去の登録実績だけで事業を継続することが難しくなる可能性がある。
FCAのデイビッド・ジル消費者・決済・競争担当エグゼクティブディレクターは、企業にとっての出発点は、新制度が自社事業にどう適用されるかを理解することだと説明した。そのうえで、今回の指針は企業が求めてきた明確性を提供するものだと述べた。
FCAは9月30日から申請を受け付ける。新制度の施行前に経過措置の適用を希望する企業は、2027年2月28日までに申請しなければならない。新制度の施行日は2027年10月25日を予定している。FCAは今年後半、規制対象範囲に関する追加の変更案についても別途協議する計画だ。
英国では、暗号資産を既存の金融規制の枠内に組み込む動きが進んでいる。英国議会は2月、暗号資産をFCAの監督対象に含める規定を承認した。FCAも6月、関連規定とガイドラインのパッケージを確定している。
立法面の動きも続く。英国上院は先週、金融サービス・市場法案の修正案を通じて、財務省に対し、法案発効後12カ月以内にデジタル資産戦略を策定するよう求めた。対象には暗号資産、ステーブルコイン、トークン化証券、デジタル金融インフラが含まれる。
トークン化資産を巡る制度整備も並行して進む。FCAは14日、一部のトークン化金商品を英国のファンド規則の適用対象から除外するかどうかについて、意見募集を始めた。FCAとイングランド銀行は今年後半、卸売金融市場のトークン化に関するロードマップも公表する予定だ。
英国当局の焦点は、個別サービスの可否判断にとどまらず、デジタル資産事業全体を既存の金融規制の枠組みにどう組み込むかへと広がっている。事業者にとっては、事業モデルごとに必要な認可範囲を早期に見極めることが急務となる。