米国の戦略的ビットコイン準備金法案が下院金融サービス委員会を通過した。写真=Shutterstock

米下院金融サービス委員会は17日、連邦政府が保有するビットコインのうち、押収などで確保した分の売却・移転を20年間制限する「米国準備金現代化法(ARMA、H.R.8957)」を可決した。法案は委員会審査を通過した段階で、成立には下院本会議での採決と上院審議が必要となる。

CoinPostによると、採決は28対21だった。法案は、戦略的ビットコイン準備金を連邦法上の枠組みとして位置付ける内容となっている。

法案の柱は、米財務省が管理する政府保有ビットコインのうち、押収などで確保した分を対象に、20年間の売却・移転を禁じる点だ。

法案が施行されれば、財務省は180日以内に保管体制を整備しなければならない。あわせて、独立した第三者機関による監査と証明報告も義務付けられる。

狙いは、政府が確保したビットコインを単に保有するのではなく、公的な管理枠組みに組み込むことにある。

今回の法案は、ドナルド・トランプ米大統領が2025年3月に出した大統領令の内容を、法律として明文化する色彩が濃い。大統領令は次の政権が撤回できる一方、法律として成立すれば、廃止や変更には議会の議決が必要になる。

その意味で、連邦レベルのビットコイン準備金構想を、政権交代に左右されにくい制度にする狙いがあるとみられる。

もっとも、上院で別途議論されている法案に比べると、今回の下院法案は踏み込みが限定的だ。新たなビットコイン購入は義務付けていない。

これに対し、シンシア・ルミス上院議員が先に提出した別法案は、財務省が毎年20万BTCを買い入れ、5年間で計100万BTCを確保する内容だ。いずれも戦略的準備金を扱う法案だが、政策の方向性には違いがある。

今後の立法日程はなお不透明だ。委員会を通過した法案は下院本会議に送られるが、11月の中間選挙を前に下院が17日前後に休会入りする可能性も取り沙汰されており、本会議採決の日程は固まっていない。

仮に下院を通過しても、上院での審議が必要となるため、実際の法制化までには時間を要する見通しだ。

市場では、法案そのものの実効性に加え、連邦政府のビットコイン保有量が公表される可能性にも関心が集まっている。法案が最終的に成立すれば、財務省は独立機関の監査を経て、政府保有ビットコインの数量を初めて公表する可能性がある。

連邦政府の保有量は約19万8000BTCと推定されているが、公式監査で確認されたことはない。

今後の焦点は、下院本会議の日程が実際に設定されるかどうか、そして上院で議論中の大規模購入法案とどのように整理されるかの2点だ。今回の委員会可決によって、米国のビットコイン準備金を巡る議論は宣言段階を超え、立法プロセスに入った。もっとも、制度化に向けてはなお追加の手続きが残されている。

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