米ビットコイン採掘企業のMARA Holdingsが、約1億ドルを投じてビットコインを買い増した。取得量は1292BTC、総額は9864万ドル(約148億円)。過去6カ月にわたり保有分を大きく売却してきた同社が、再び取得に動いた格好だ。
ブロックチェーン専門メディアのU.Todayが16日(現地時間)に報じた。今回の取得は、Arkham Intelligenceのオンチェーンデータで確認されたという。
取引はFalconXを通じた店頭取引(OTC)で実施した。平均取得単価は1BTC当たり7万6347ドル。直近6カ月に積極的な売却を進めていた経緯を踏まえると、今回の取得は同社の資産運用方針の変化を印象づける動きといえる。
MARAは2026年上半期を通じてビットコインを売り越していた。負債圧縮と新規事業向け資金の確保を目的に、2万880BTC超を売却。売却額は約15億ドル(約2250億円)に上った。調達した資金は、高性能計算(HPC)とAIデータセンターの整備に加え、2030年満期および2031年満期の転換社債の早期償還に充てた。
この結果、MARAの運用ウォレット残高は9658BTCまで減少した。この時点のビットコイン価格7万5494ドルで換算すると、保有額は約7億2970万ドル(約1095億円)となる。
今回の買い増しは、採掘業界の収益環境が悪化する中で実施された点でも注目される。CoinSharesによると、2026年第2四半期の上場採掘企業の平均採掘コストは1BTC当たり7万5500ドルまで上昇した。一方で、同四半期末のビットコイン価格は5万8400ドルにとどまり、業界全体の採算は損益分岐点を下回った。
採掘採算を示す指標も悪化している。6月の平均ハッシュプライスはPH/s/日あたり27.7ドルと過去最低を記録した。Core Scientificは15EH/s分の機器発注を取り消すため4190万ドル(約63億円)を支払い、一部の小規模採掘企業は操業停止に向けた手続きに入った。
そうした環境下でも、MARAはAIデータセンター拡大とビットコイン保有を並行して進める姿勢を改めて示した。過去6カ月はAI関連投資のため保有資産の売却を進めてきたが、今回の約1億ドルの取得は、ビットコインを中核的な財務資産として維持する方針を改めて打ち出したものとみられる。