Zcashのトークン「ZEC」が、暗号資産市場全体の地合いが悪化する中で急伸した。米上院でデジタル資産市場明確化法案(通称クラリティ法案)の手続きが不成立となり、主要銘柄が下落する一方、ZECは一時1250ドル(約18万7500円)前後まで上昇した。先物取引の拡大と、次期大型ネットワーク更新「NU7」への期待が相場を押し上げた。
ブロックチェーンメディアのU.Todayが16日(現地時間)に伝えたところによると、ZECの時価総額は約210億ドル(約3兆1500億円)まで拡大した。同日の値動きは、市場全体の下落基調とは対照的だった。
米上院では、クラリティ法案の本格審議に進むための終結動議が不成立となった。これを受け、ビットコインや主要アルトコインには売り圧力が強まった。ビットコインはその後、7万6000ドル(約1140万円)台まで下落。XRPも、Rippleの最高法務責任者(CLO)であるスチュアート・アルダーロティ氏の発言があったものの、ほぼ10%下げた。イーサリアム、ソラナ、ドージコインも初動でそれぞれ約5%下落した。
ZECも一時は売られたが、その後は急速に切り返した。
CoinGlassによると、直近24時間のZEC先物取引高は約77億ドル(約1兆1550億円)。未決済建玉は約26億1000万ドル(約3915億円)に達した。
同期間に清算されたZEC先物ポジションは約1807万ドル(約27億1050万円)だった。価格変動の拡大に伴い、デリバティブ市場でも取引が膨らんだ格好だ。
もっとも、16日の急騰後も、ZECは直近7日では約0.84%安だった。足元では大幅上昇を挟みつつ、ボラティリティの高い展開が続いていることを示している。
今回の上昇局面では、NU7を巡る好材料も意識された。
Zcash保有者は、NU7に関する複数の提案に圧倒的多数で賛成した。投票には約240万ZECが参加し、投票可能総量の約360万ZECの約3分の2を占めた。
このうち99.9%は、目標ブロック間隔を従来の75秒から25秒へ短縮する案を支持した。実現すれば、取引の初回承認までの時間短縮につながる可能性がある。
また、NU7を可能な限り早期にリリースする案にも99.3%が賛成した。ただ、今回の投票だけでネットワーク変更が直ちに実施されるわけではない。実際のアップグレードには、関連機能の開発やテスト、最終的な適用手続きが残っている。
クラリティ法案の手続き不成立を受けて主要暗号資産が軟調に推移する中、ZECはデリバティブ取引の活発化とNU7への期待を背景に、相場全体とは逆行高となった。