写真=ChatGPT

米国防総省のエミル・マイケル最高技術責任者(CTO)は16日、AI企業への政府出資や国有化に否定的な見解を示した。新たな規制を広げるよりも、企業の安全責任を徹底し、FTC法を含む既存法の執行を強化すべきだとの考えを明らかにした。

米経済メディアCNBCによると、マイケル氏は政府がAI企業の株式を一部保有する可能性について問われ、「そうならないことを望む」と述べた。AI産業への政府の直接介入には否定的で、国有化にも反対する立場を示した。

こうした発言は、民間企業への関与を広げてきたトランプ政権の従来の動きとはやや異なる。Intel株の10%を確保しているほか、日本製鉄の子会社であるUS Steelについては、特定の経営判断に関与できる特別株である「黄金株」を保有している。

マイケル氏は、AI規制の拡大にも慎重な姿勢を示した。欧州型の事前規制を強めるより、企業が安全で人間の意図に沿った製品を開発し、安全要件を満たしたうえで市場に投入する責任を負うべきだと主張した。

また、Hugging Faceを巡る最近のハッキング事案については懸念を認めつつも、「どのような規制がこれを防げたのかは不明確だ」と述べた。その一方で、「少数のAI企業の経営陣にすべての判断を委ねるのも危険だ」とし、FTC法を含む既存法規の執行を進める必要性を強調した。

さらに、AIリスクを強調する動きについては、「一部の既存企業に有利な判断を引き出そうとする組織的なキャンペーンがある」と主張した。企業が安全上の問題を解決するまで、一部の技術開発を自主的に停止する可能性もあると付け加えた。

マイケル氏の発言は、中国とのAI開発競争を背景に産業成長を支援しつつ、開発速度の制限には反対してきたトランプ政権の基本姿勢と重なる。一方で、企業の自主的な安全対策と既存法の執行だけでAIリスクに十分対応できるのかを巡っては、引き続き議論が続きそうだ。

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