ビットコインと金の短期的な値動きの連動性が、歴史的な高水準に近づいている。市場では、ビットコインを従来のリスク資産ではなく「デジタルゴールド」とみる見方が改めて浮上しており、この動きが構造的な変化なのか、一時的な現象にとどまるのかに関心が集まっている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicは16日、ビットコインと金の短期相関が過去最高水準圏に達していると報じた。
Striveで投資担当バイスプレジデントを務めるアダム・リビングストン氏によると、2020年以降の全期間ベースでみたビットコインと金の相関は+0.17にとどまる。長期では、両資産はおおむね独立して推移してきたことを示す水準だ。
一方、直近の相関係数は大きく上昇している。リビングストン氏が示したデータでは、30日相関は+0.68、60日相関は+0.58、90日相関は+0.63、252日相関は+0.41。とりわけ30日と252日は過去の分布で99パーセンタイル水準、90日は99.9パーセンタイルに近いという。
こうした変化は、ビットコインと金を異なる性格の資産とみてきた従来の見方に修正を迫るものでもある。金はインフレや通貨不安、金融市場の不確実性が高まる局面で代表的な安全資産とされる一方、ビットコインは相対的にリスク資産として扱われてきた。もっとも足元では、両資産が同じ方向に動く場面が増えている。
リビングストン氏は、ビットコインと金について、完全に相反する投資対象というより「同じシステムに対する別々の逃避先」と捉えることができると指摘した。市場参加者がインフレ、金利、国債利回り、通貨の動向を合わせて注視するなか、両資産が似たマクロ要因に反応しているとの見方を示した。
ただ、高い相関が直ちに両資産の恒常的な連動を意味するわけではない。相関はあくまで一定期間の値動きの近さを示す指標であり、一方の値動きが他方を引き起こす因果関係を示すものではない。今回の数値は、この数カ月でビットコインと金の関係性に変化が生じている可能性を示すシグナルとして受け止められている。
加えて、米国債利回りの急上昇も市場の重しとなっている。米10年債利回りは一時5%を上回った後、再び低下した。一般に利息を生まない金は、利回り上昇やドル高の局面で下押し圧力を受けやすい。ビットコインも直近で売り圧力にさらされ、今月初めに8万2000ドルを上回った後、15日時点では約7万5613ドルまで下落した。
こうした状況を受け、市場の一部ではビットコインがようやくデジタルゴールドのような値動きを見せ始めたとの受け止めも出ている。ただ、足元の連動が構造的な変化につながるのか、それとも金利や通貨動向に左右される一時的な現象にとどまるのかは、なお見極めが必要だ。