写真=KakaoのAI Synergy & AI Communication担当バイスプレジデント、キム・セウン氏

Kakaoは、AIサービス「みんなのAI」をKakaoTalkを起点に展開し、エージェントAIプラットフォームとして構築する。まずは新たなWebサービスとして提供を始め、その後はLGU+の通話チャネルにも広げる。将来的には、公共、金融、医療などの日常サービスで、AIが利用者の要請を実行まで担う「完結型エージェント」へ発展させる構想だ。

KakaoのAI Synergy & AI Communication担当バイスプレジデント、キム・セウン氏は15日、ソウル市中区のソウルファイナンスセンターで開かれた「みんなのAI」Kakaoコンソーシアムのグループインタビューで、「既存サービスの看板を掛け替えるのではなく、エージェント型AIプラットフォームを作ることが核心だ」と述べた。新たにWebサービスを立ち上げ、KakaoTalkや通話、Webを主要な導線として活用する方針も示した。

KakaoコンソーシアムはKakaoが主幹を務め、LGU+のほか、LG AI研究院、LG Electronics、LG CNS、Kakao Enterprise、ソウル大学病院、Shinhan Bank、Lunit、FuriosaAIなど14社・機関で構成する。

戦略の柱は、「みんなのAI」上に外部企業が開発したAIエージェントも実装できる開放型エコシステムの構築だ。参加企業はファーストパーティーまたはセカンドパーティーとして優先的にサービスを投入し、外部企業はKakaoが政府課題として整備する「AIエージェント・マーケットプレイス」を通じて、サードパーティーとして参画する。

キム氏は「マーケットプレイスで最も重要なのは検証だ」と強調した。検証基盤を整備して「みんなのAI」と連携させ、利用者が検証済みのエージェントを使えるようにする考えだ。参加に関する問い合わせも相次いでおり、外部企業は別途「エコシステム・アライアンス」として整理しているという。

サービス提供はWebから始める。KakaoTalkの友だちリストやチャットメッセージ、バナーなど既存の接点を活用し、「みんなのAI」へ送客する。LGU+では、専用番号や利用者自身の番号に電話をかけて使う方式などを検討している。

キム氏は「利用者のいないアプリを作る必要はない」と述べ、まずはプラットフォーム中心でWebサービスを立ち上げる考えを示した。利用者が増えればアプリ化も視野に入れる。また、Government24やLGU+のセットトップボックスなど、他サービスに「みんなのAI」プラットフォームを組み込む案も検討対象とする。

KakaoとLGU+は、それぞれが保有するチャネルを活用して利用者獲得を進める。目標は、サービス初期に月間アクティブユーザー数(MAU)500万人、2027年に1000万人、長期的には3000万人としている。

キム氏は「500万人は達成可能であり、達成すべき目標でもある」と説明した。現金還元型のマーケティングよりも、KakaoTalkとLGグループが持つ接点とチャネルを積極活用する方針を示した。

「みんなのAI」のベータ版は10月の公開を目標とする。Kakaoはコンソーシアム各社と協議し、自社開発者イベント「if kakao」に公開時期を合わせる案などを検討している。

初期のベータ版は、基本的なチャットボット形式で提供する。キム氏は、ベータ段階では運用面の検証が重要だとした上で、基本機能を提供しながら、一定水準のエージェントAIを実装できるよう最大限取り組むと述べた。年内には、基礎的なエージェントAIプラットフォームを構築する計画だ。

その後は単純な質疑応答にとどまらず、利用者の要請を実行までつなぐ「完結型サービス」へ広げる。年内は公共サービスとの連携を優先し、その後は金融、医療へと範囲を拡大する。

キム氏は「回答を得た後の次の段階を利用者が自分で処理するのではなく、エージェントAIが動いて最後まで到達できるようにしたい」と語った。処理が完結しない場合は、通知トークやコールバック、LGU+のSMSなどを通じて利用を継続させる考えも示した。

LGU+がモデルとGPUの統合運用を担当

「みんなのAI」では、Kakaoがアプリケーションとサービスプラットフォームを担い、LGU+がAIモデルとGPUの統合運用を受け持つ。

LGU+のエンタープライズ部門長、コ・ジンテ氏は「アプリケーション層はKakaoが強みを持ち、モデルやGPUを含む全体の統合運用は当社が担った」と説明した。「ixi」や企業向けAIサービスで蓄積した知見を生かせるとした。

AIモデルは、Kakaoの「カナナ」系列の2モデルと、LG AI研究院の「K-EXAONE」「EXAONE 4.5」を中心に運用する。現時点では海外モデルの活用は想定していないという。

コ氏はK-EXAONEについて、「グループ内で使ってきたモデルは、かなりB2B寄りに作られている」と説明した。「ごく簡単な質問にも学究的に答える傾向があり、一般利用者の目線や体感的な利用パターンへの学習・訓練は不足しているのが事実だ」と述べ、KakaoTalk基盤の対利用者サービスに合わせて追加学習を進める考えを示した。

モデル選定では、実サービスでの品質と応答速度を優先する。モデル自体の処理性能とGPU資源を組み合わせて最適化する方針だ。

キム氏は「サービスを具体化していくと、サービス部門から『これでは使えない』という声が上がり、その要件がモデル側に下りていく」と述べた。「必要なスペックを満たせないモデルは採用しない」という考えも示した。

また、「海外モデルは使わないが、より適しているのであればUpstageのオープンウェイトモデルを採用する可能性はある」とも述べた上で、「結局、われわれはサービスを提供する立場だ」と説明した。

「みんなのAI」プラットフォームは政府事業とは別に、Kakaoが進めてきたAI戦略とも連動する。キム氏は「これがだめでも進めるし、進めざるを得ないと言ってきた。これこそが、われわれが進むべき方向だからだ」と述べた。

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