米上院でClarity法案が前進に必要な60票を確保できず、米国のビットコイン需要が弱含んでいる。Coinbaseプレミアムは1カ月ぶりの低水準に沈み、米国市場とオフショア市場の需給の差も目立ってきた。
Cointelegraphが16日(現地時間)に報じたところによると、Coinbaseプレミアムは15日にマイナス0.079まで低下した。
Coinbaseプレミアムは、CoinbaseとBinanceのBTC価格差を示す指標で、マイナス圏に沈むとCoinbase利用者の需要がBinance利用者に比べて相対的に弱いことを意味する。
同指標は週初に一時プラス0.004まで回復したが、15日に入って下げ幅を広げた。8月16日以降で最も低い水準で、当時のビットコイン価格は約6万3000ドルだった。
こうした動きは、米上院が15日にClarity法案の審議を前に進められなかった直後に鮮明になった。2027年まで同法案が再び本格的な議論の俎上に載る余地は限られるとの見方も出ている。
これを受けて米国投資家のセンチメントが悪化し、ビットコイン相場には下押し圧力がかかった。
取引所ごとの需給の違いも広がっている。オンチェーンアナリストのウィリー・ウー氏は、9月6日以降の取引所別の累積出来高デルタのデータを示し、9月11日前後からBinanceとCoinbaseの動きが分かれ始めたと指摘した。
Binanceの累積出来高デルタは上向いた一方、Coinbaseは下落基調が続いた。Coinbaseでは売り圧力の強さが続いたことを示している。
ウィリー・ウー氏は、Clarity法案の失速を受けて米国勢はCoinbaseで売りを続ける一方、より支配的なグローバルのオフショア市場はBinanceで買い集めを続けていると分析した。その上で、こうした構図を強気シグナルと位置付けた。
実際、反応的な売りの中心には新規投資家層がいた。CryptoQuantのデータによると、保有期間6カ月未満の短期保有者は24時間で最大3万4000BTCを取引所に送金した。
このうち相当量は、直近のオンチェーン移動時点より低い価格で取引所に持ち込まれたという。
CryptoQuantは、損失を抱えた状態で取引所に送られた数量が2万3200BTCに達し、ここ1カ月で確認された短期保有者による投げ売りとしては最大規模だったと明らかにした。
損失確定を伴う取引所流入の増加は、短期投資家の不安心理が強まっていることを示す。
一方で、短期保有者の収益性指標はこれまでに2026年の主要な分岐点に達したことがあり、長期的なビットコイン相場のトレンド転換につながる可能性も指摘されていた。
ただ、今回は法案の採決不成立が短期的な需要の重荷になった格好だ。
市場の次の焦点は、米国内の現物需要が持ち直すかどうか、また取引所間の需給の乖離がどこまで続くかに移っている。
Coinbaseプレミアムがマイナス圏にとどまり、短期保有者の損失確定売りが続けば、米国発の売り圧力がビットコイン相場の重しとなる可能性がある。