カザフスタンは国家暗号資産分析センターの設立を進める。写真=Shutterstock

カザフスタンが、法定通貨と暗号資産の取引を一体的に監視・分析する「国家暗号資産分析センター」の設立に乗り出す。デジタル資産市場の拡大を受け、金融監督を強化し、詐欺などの不正取引への対応力を高める狙いだ。

Coinpostが16日付で報じたところによると、ティムール・スレイメノフ(Timur Suleimenov)カザフスタン国立銀行総裁は前日の政府会議で、同センターの構想を明らかにした。

同センターは、国立銀行が開発を進める監督技術(SupTech)プラットフォームを基盤に運用する。法定通貨と暗号資産の取引を横断的に分析するほか、顧客情報、ウォレット情報、個々の送金データまで分析対象とする設計という。あわせて、事業者登録情報の管理、ブロックチェーン分析、監督業務の自動化機能も備える。

2024年に発足した不正防止センターとの連携・統合も進める。不正防止センターには銀行、決済機関、法執行機関、通信事業者などが参加しており、詐欺の疑いがある取引情報をリアルタイムで共有している。

新たな分析センターのツールは、銀行や捜査機関に加え、認可を受けたデジタル資産事業者も利用できる見通しだ。

今回の構想の背景には、カザフスタンのデジタル資産市場の急拡大がある。アスタナ国際金融センター(AIFC)に登録した事業者の2025年のデジタル資産取引額は106億ドル(約1兆5900億円)に達し、登録利用者も約21万5000人に増加した。

カザフスタンは2022年、暗号資産取引所と銀行を接続する枠組みを導入し、翌2023年にはデジタル資産法を制定した。ただ、既存の規制はAIFCの枠内に限られ、国内市場全体をカバーしきれていなかった。

このため国立銀行は2025年に規制サンドボックスを導入した。現在は、ステーブルコイン、トークン化、暗号資産取引所、カストディサービスなど14分野で34件のプロジェクトが参加している。

さらに5月からは、全国ベースのデジタル資産規制と事業者認可制度の運用を始めた。

新制度の施行後、最初の2カ月間に認可を受けた暗号資産事業者3社の取引額は約20億テンゲだった。カザフスタンは市場拡大と並行して監督インフラの整備を進め、デジタル資産を制度の枠内に取り込む方針だ。

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