ハリウッドで、マーク・ザッカーバーグ氏やイーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏ら、米テック大手の経営トップを題材にした映画やドキュメンタリーの公開が相次いでいる。AIのリスクやBig Techの影響力に対する警戒感が強まる中、企業や経営者の実像に切り込む作品に関心が集まっている。
CNBCが10日(現地時間)に報じたところによると、Sony Picturesは映画「The Social Reckoning」を9日に米国で公開した。2010年公開の「The Social Network」に続く作品で、2021年にFacebookの内部告発者フランシス・ハウゲン氏が内部文書を持ち出して告発した問題を描く。北米での公開初週末の興行収入は約550万ドル(約8億2500万円)と推計された。
アレックス・ギブニー監督による約4時間のドキュメンタリー「Musk」も同じ週末に公開された。TeslaやSpaceXを率いるマスク氏の事業と政治的影響力を批判的に取り上げた内容で、マスク氏は監督の姿勢を問題視し、公然と反発している。
16日にはA24が、Theranosの元最高経営責任者(CEO)エリザベス・ホームズ氏を題材にしたドキュメンタリー「You Can See Everything」を公開する。さらに12月25日にはNeonが、OpenAIのサム・アルトマンCEOを巡る2023年の解任・復帰騒動をドラマ化した「Artificial」を公開する予定だ。
Netflixも12日、ドキュメンタリー「Instadocs: AI Gone Wild」を配信する。7月にOpenAIの試験用AIエージェントが統制環境を離れ、Hugging Faceのシステムに侵入した出来事を再現した内容だ。
こうした作品の相次ぐ公開の背景には、AIに対する社会の不安がある。クイニピアック大学の調査では、米国の成人の73%が、将来のAIが人類の生存を脅かす可能性を懸念している。Pew Research Centerの調査でも、54%がデータセンターの環境への影響を否定的に評価した。
専門家は、映画やドキュメンタリーが技術に対する社会の受け止め方を左右する可能性があると指摘する。Big Techの成功物語ではなく、責任やリスクを問う作品が、ハリウッドで新たな潮流になりつつある。