米大手銀行の7〜9月期決算発表が本格化する。市場では、利上げに伴う貸出収益の拡大期待に加え、預金流出を防ぐための調達コスト増が、収益の分かれ目になるとの見方が強まっている。
American Bankerによると、J.P. Morgan Chase、Goldman Sachs、Wells Fargo、Citigroupは13日(現地時間)に7〜9月期決算を発表する。Bank of America、Morgan Stanley、State Streetは14日に発表する予定だ。
Fedは先月、政策金利を0.25ポイント引き上げ、誘導目標を年3.75〜4.00%とした。金利上昇は貸出金利の上昇を通じて銀行収益の追い風となる一方、預金をつなぎ留めるには、顧客により高い金利を提示する必要がある。Piper Sandlerのアナリスト、スティーブン・スカウテン氏は「中堅銀行の預金増加は堅調だった」としつつ、「どの程度のコストを払って預金を確保したかが重要だ」と指摘した。
市場の関心は、純金利収益(NII)と純金利マージン(NIM)の動向にも集まっている。NIIは金利収入から金利費用を差し引いた収益、NIMはその収益性を示す指標だ。Bank of America Securitiesは、地方銀行の預金調達コストが想定以上に膨らむ可能性があるとみている。
貸出の伸びはプラス材料となっている。Fed統計の分析では、銀行貸出は前年同期比で約7.5%増加した。AIデータセンターやインフラ投資を背景に、法人向け融資が伸びを支えている。一方で、商業用不動産向け融資を巡っては見方が分かれている。
金利上昇に伴う保有債券の評価額下落も重荷となりそうだ。Citigroupは上期に103億ドルを自社株買いに充てたが、今後は銀行セクター全体で自社株買いのペースが調整されるとの見方が出ている。
AI投資の方向性も見どころの一つだ。各行が、コスト削減にとどまらず、顧客獲得や関係強化にAIをどう生かすのかが注目される。