企業価値100億ドル(約1兆5000億円)以上のスタートアップ「デカコン」の誕生ペースが、かつてない勢いで加速している。2025年にはデカコン到達までの平均期間が5.5年に短縮し、2026年は年初来の社数がすでに過去最多を更新した。
米Axiosが9日(現地時間)に報じた。スタートアップ投資情報サービスPitchBookの集計によると、2025年に世界のスタートアップがデカコンに達するまでの平均期間は5.5年となり、2020年の9.4年からほぼ半減した。これは、2020年時点のユニコーン(企業価値10億ドル以上)到達までの平均8年も下回る水準だ。
2026年に入って世界で誕生したデカコンは42社に達した。年末まで3カ月弱を残す段階で、従来最多だった2021年の34社をすでに上回っている。Axiosは、今後もデカコンの増加が続く可能性が高いと報じた。2021年創業のModalは、企業価値150億ドル(約2兆2500億円)評価での資金調達を控えているという。
デカコン到達までのスピードが特に速かった上位20社のうち、17社を2025年と2026年に登場した企業が占めた。いずれも創業からおよそ3年でデカコン入りを果たしている。
Googleで主席科学者を務めたジェフ・ディーン氏が8月に設立したDiscovery Loopは、創業時点から企業価値100億ドル(約1兆5000億円)を目指していたとされる。実現すれば、史上最速でのデカコン到達となる。Business Insiderによると、同社の目標企業価値は先月、500億ドル(約7兆5000億円)まで引き上げられた。
AIブーム以前に設立された企業も、新たにデカコンの仲間入りをしている。Axiosによると、今年新たにデカコンとなった企業の創業からの年数は平均7.1年だった。設立から8年を超える企業16社が新たに加わったことが背景にあるという。代表例として、Cerbras、Shield AI、SambaNova、Fluidstack、Airwallex、NinjaOne、Hoopが挙げられている。
もっとも、デカコン入りが長期的な成功を保証するわけではない。Axiosは、その例としてWebvanを挙げた。IPO市場でも変調が見え始めており、上場の延期や撤回が相次ぐなか、11月が先行きを占う重要な時期になるとしている。