写真=イリヤ・ポロスキン氏のLinkedInより

NEAR Protocol共同創業者のイリヤ・ポロスキン氏は7日、シンガポールで開かれた「Digital Asset Summit 2026」でThe Blockのライブインタビューに応じ、NEAR.comの機能拡充によって「いまや大半の取引で中央集権型取引所は必要ない」との認識を示した。法定通貨との接続強化やプライバシー機能の拡充に加え、AIエージェントをオンチェーン市場の新たな入口として位置付ける考えも明らかにした。

同氏は、複数チェーンにまたがるスポット取引のほか、トークン化株式、利回り商品、無期限先物を単一画面で扱えるサービスとしてNEAR.comを挙げた。その上で、NEAR.comは取引所の代替に「ほぼ到達した」と述べた。

一方で、残る課題として、銀行口座への出金対応、税務申告向けの取引記録整備、秘匿取引における選択的開示を挙げた。

ポロスキン氏が重視するテーマの一つがプライバシーだ。NEAR Intentsでは、利用者が望む結果だけを指定すると、システムが実行経路を見つけて処理する。同氏は、そのインフラの大半をconfidential shardに移し、取引履歴を非公開のまま、必要な場面で個別取引のみを提示できるようにしたと説明した。

NEARは法定通貨との連携も広げる。ポロスキン氏は「法定通貨関連の機能が今後多く出てくる」と述べた。

NEARはMoneriumと連携し、国際銀行口座番号(IBAN)を通じて銀行口座のユーロと、ユーロ建てステーブルコイン「EURe」を相互に転換できるようにしている。将来的には、米ドルからユーロ、シンガポールドルから香港ドルといった形で、さまざまな資産を別の資産へ転換できるようにし、最終的には商取引そのものをオンチェーンで完結させる構想だという。

トークン化株式については、9月にOndo Financeとの統合を通じて提供を開始した。ユーロでNVIDIAのトークン化株式を購入することも可能としている。

同氏は「世界各地の市場の株式をさらに追加する計画だ」と述べた。

NEAR Intentsを巡っては先に、入出金インフラ「Omni」とスマートコントラクトの相互作用に関するバグを突かれ、約380万ドル規模のハッキング被害を受けてサービスを一時停止していた。NEARは脆弱性にパッチを適用し、流出資金も全額回収したと発表している。

ポロスキン氏はAIエージェントにも強い期待を示した。AIエージェントがオンチェーン市場への新たな入口になり得るというのがその理由だ。

代表例として挙げたのが「NEAR Agent Market」だ。利用者がやりたいことを自然言語で伝えると、それを実行できるAIエージェントを見つけて接続する。報酬は一時的に預かり、作業が適切に完了したことを確認した後、エージェントに支払う仕組みという。

同氏は「AIがフロントエンドで、ブロックチェーンがバックエンドだ。より正確には、エージェントがフロントエンドで、市場がバックエンドだ」と述べた。

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