AppleなどBig Tech企業への年額負担金案をEUが検討している。写真=Shutterstock

欧州連合(EU)が、AppleやGoogle、MetaなどのBig Techを含む大企業に年額の定額負担金を課す制度の見直しを進めている。財源確保を図る一方、米国企業を狙い撃ちした制度との批判を避け、通商摩擦の回避にもつなげたい考えだ。

Reutersや9to5Macなどによると、欧州委員会は7日、「CORE」と呼ぶ制度の修正案を協議した。COREは、EU域内で事業を行う一定規模以上の企業に定額負担金を課し、EU予算の財源に充てる仕組み。従来のデジタルサービス税のように米テック企業に対象が偏る形ではなく、業種や国籍を問わず適用する点を特徴とする。

現行案では、EU域内の年間純売上高が1億ユーロ(約150億円)を超える企業を対象に、売上高の区分に応じて年10万~75万ユーロ(約1500万円~1億1300万円)の定額負担金を課す。欧州委は、この制度によって2028~2034年に年平均約68億ユーロ(約1兆2000億円)を確保できると見込んでいる。

足元では、中堅の欧州企業の負担を抑えるため、適用基準を引き上げる案が浮上している。その代わりに、Apple、Google、Metaといった超大手の負担額を増やす方向で調整している。ただ、新たな基準や金額はまだ固まっていない。

見直しの背景には、米国との通商摩擦への警戒がある。トランプ政権は、米企業に不利とみなす海外のデジタル課税に対し、報復関税などで対抗する可能性を警告してきた。大企業に同一基準を適用する形にすれば、米国企業だけを狙い撃ちしているとの批判を和らげられるとの判断がある。

国際課税の枠組みを巡る不透明感も影響している。トランプ大統領は昨年、OECDのグローバル課税合意について、米議会による立法がなければ米国内では効力を持たないとの考えを示した。その後、OECDは今年、147の国・地域を対象に、グローバル最低税率を「サイド・バイ・サイド」で運用する枠組みをまとめたが、各国のデジタル課税を巡る対立はなお残る。

COREの導入には、EU加盟国の全会一致を含む追加手続きを経る必要がある。EUは、2028~2034年の長期予算が始まる2028年の導入を目指している。

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