米陸軍が、兵士自ら組み立てて運用する使い切り型の攻撃ドローンによる実弾試験に成功した。ウクライナ戦争を通じて重要性が高まった小型ドローンを巡り、前線部隊が外部企業に依存せず、運用や改修を行える体制づくりを進めている。
TechRadarなどが10月7日付で報じたところによると、米陸軍第2騎兵連隊は9月30日、ドイツのグラーフェンヴェーア訓練場でOrqa MRM2-10ドローンを使った実弾攻撃訓練を実施した。兵士らはメーカー供給の部品で機体を組み立て、部隊が設計した電子式安全機構と、3Dプリンターで製作した爆発物搭載部を組み合わせた。
この装置は、部隊の通称にちなみ「Dragoon bomb」と名付けられた。
マイケル・バフ大尉は「今回の試験は2年以上前から準備を進めてきた」と説明。その上で、「契約業者や外部部隊の支援を受けずに実施した実弾運用としては、従来型の陸軍では初めてだ」と述べた。さらに「陸軍全体でも初の事例である可能性がある」と強調した。
もっとも、これは部隊側の説明であり、陸軍として正式に確認された記録ではない。
実弾試験では、アンジェル・カリーズ軍曹が爆発物を搭載した機体を1マイル(約1.6km)超飛行させ、標的に命中させた。発射から着弾までに要した時間は5分未満で、別の偵察ドローンが命中の様子を周辺部隊へリアルタイムで伝送した。
部隊側は、同様のシステムを3マイル(約4.8km)超の距離で運用でき、追加の通信機器を導入すれば12マイル(約19.3km)超まで拡張可能だと説明している。ただ、今回の試験で12マイル飛行を実証したわけではない。
米陸軍は足元で、小型無人機の運用拡大に加え、自前での製造・修理能力の強化を進めている。ウクライナ戦争で低コストのドローンが偵察や攻撃の手段として急速に普及したことが背景にある。
このほか陸軍は、ドローンやロボットシステムを戦術に組み込むための3週間の教育プログラムについても試験運用を進めている。
ティモシー・プライス第2騎兵連隊長は今回の訓練について、「兵士が手持ち装備を直接改造し、外部支援への依存を減らせる可能性を示した」と評価した。陸軍は今後、小規模部隊にも、従来の個人携行・分隊級兵器より遠距離の目標を精密に攻撃できる手段を提供できるとみている。