フレンチ・ヒル米下院金融サービス委員会委員長 写真=Shutterstock

米下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長は、暗号資産を巡る制度整備について、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)による規則策定だけでは不十分だとして、クラリティ法による恒久的な法整備の必要性を改めて強調した。

7日付のCointelegraphによると、ヒル氏はFox Businessのインタビューで、SECとCFTCがデジタル資産規制の整備を進めている点は評価しつつも、先月に上院で成立に至らなかったクラリティ法に代わる対応にはならないとの認識を示した。

ヒル氏は、規制当局による措置と議会による立法では重みが異なると指摘した。SECとCFTCはそれぞれ、暗号資産の監督や執行に関わる複数の分野で規則策定を進めているが、こうした対応だけでは法整備に伴う安定性は確保できないとの立場だ。

その上で、議会会期の終了前に法案が扱われる可能性にも言及した。米国がデジタル資産とブロックチェーン技術で主導権を維持するには、恒久的な法改正が必要だと訴えた。

もっとも、法案審議を巡る日程は厳しい。ヒル氏は、11月の米中間選挙後、2027年に新議会が発足するまでの上院の会期日が22日間にとどまると説明した。この期間はいわゆる「レームダック会期」に当たり、再選や引退が確定した議員の判断次第で、クラリティ法案を巡る賛否の構図が変わる可能性があるとした。

規制当局側の体制も不確定要素となっている。ヘスター・ピアース委員は先週、SECからの辞任意向を示し、現在のSECはポール・アトキンス委員長とマーク・ウエダ委員の2人体制となっている。CFTCも、マイケル・セリックが委員長兼唯一の委員として在任している。

一方で、両機関のトップは直近、ドナルド・トランプ米大統領の指示に従い、暗号資産規制を継続して進める方針を示している。ヒル氏の発言は、行政府と規制当局がルール整備を進める中でも、規則策定だけでは市場の不確実性を取り除けないという議会側の問題意識を改めて浮き彫りにした格好だ。

今後の焦点は、レームダック会期中に法案採決が実現するかどうかに移る。規制当局は行政レベルでの対応を続けているが、市場構造全体を定める法律がなければ、政権交代や委員構成の変化で方針が揺らぐとの懸念は残る。クラリティ法案が年内に再び上院を通過できるかが、米国の暗号資産制度整備の試金石となりそうだ。

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