写真=Mobilint

Mobilintは10月8日、Nuri号第5回打ち上げの副搭載衛星「BEE-1012」に、同社のAI半導体「REGULUS」をベースにしたNPUボード2種が搭載されたと発表した。同社によると、国内企業が自社で設計・開発したNPUが衛星に搭載されるのは初めてという。

BEE-1012は、Space Lint Techが手がける宇宙医薬の実証衛星。今回搭載された2種のボードは、KAIおよびPunzineと連携した衛星状態解析向けと、Space Lint Techと連携したタンパク質結晶成長の観察・画像解析向けで構成する。Mobilintは半導体の供給に加え、ミッションに合わせたボードの設計・製作やAIソフトウェアとの連携も担った。

衛星状態解析向けのボードでは、衛星の状態データを解析するAIモデルを動作させる。異常の兆候検知や原因の識別に必要な演算を処理し、衛星の自律的な障害対応や運用判断を支援する。

タンパク質結晶成長の観察向けボードは、微小重力環境で撮影した結晶成長画像を解析する。結晶の成長状態を判定し、その結果を実験条件の調整や必要なデータの選別に生かす考えだ。

2種のボードは、衛星内でデータを直接処理するオンボードAIとして動作する。地上局との通信時間が限られるなか、衛星側であらかじめ解析し、必要な情報だけを選んで送信することで、伝送量と判断に要する時間の削減が見込めるとしている。

Mobilintは今後、電力や通信に制約のある衛星環境で、NPUボードとAIモデルが軌道上で正常に動作することを確認し、実運用データを取得する計画だ。これを宇宙環境に適した高信頼のエッジAI製品・システムの開発に生かす。ボードの設計・製作と試験、AIモデルとの連携、衛星内部の制御コンピュータとの通信安定化も同社が担った。

協力企業とともに、衛星の初期運用段階でボードの正常動作を確認した後、軌道上でのAI機能試験とミッションデータの処理結果を段階的に点検する予定だ。

Mobilintのシン・ドンジュ代表は「宇宙では、収集したデータを地上に送るだけでなく、その場で解析して判断する能力が重要になる」としたうえで、「今回の搭載を出発点に、国産AI半導体の実運用データを確保し、宇宙をはじめ、電力や通信に制約のある環境でAI活用を進める顧客に必要な技術を高度化していく」と述べた。

キーワード

#Mobilint #Nuri号 #BEE-1012 #REGULUS #NPU #オンボードAI #エッジAI #KAI #Space Lint Tech
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.