Google DeepMindとMeta、AI創薬企業のIsomorphic Labsは7日、非営利の生物医学研究機関Biohubが進める「Virtual Biology」イニシアチブに、計3億ドルを共同拠出すると明らかにした。AIで活用する大規模な生物学データ基盤を整え、疾患や薬剤応答を予測する仮想細胞モデルの開発を加速させる狙いだ。
米ITメディアのThe Vergeが同日報じた。3社はそれぞれ資金を拠出するが、個別の負担額は公表していない。
この取り組みには資金だけでなく、既存データや計算資源、計測技術なども投入される。全体の規模は総額18億ドルに上る見通しだ。
中核となるのは、AI学習に使える大規模な生物学データセットの構築だ。これを基に、細胞が疾患や薬剤などさまざまな介入にどう反応するかを予測する仮想細胞モデルを開発する。
研究者が実験の一部をデジタル空間で事前に再現できれば、疾患の原因解明や治療候補の探索にかかる時間の短縮につながるとみられる。
Biohubは2026年4月に同イニシアチブを発表し、5億ドルを投じる方針を示していた。このうち4億ドルはクライオ電子トモグラフィーや大規模細胞イメージングといった新たな計測技術に、1億ドルは外部研究の支援に充てるとしている。
米政府もこの構想に加わる。エネルギー省は今後5年間で5億ドル超を投じ、国立研究所のスーパーコンピューターやイメージング、モデリング技術を提供する計画だ。
米国立衛生研究所(NIH)は、これまでに5億ドル超を投じて整備してきた生物学データセットやリポジトリ、知識基盤を連携し、AI学習に適した形に標準化する役割を担う。
Biohubの科学責任者アレックス・リーブス氏は、「正確な生物学的予測モデルが実現すれば、科学者は実験の一部をデジタルで実行でき、発見のスピードを大幅に高められる」と述べた。
その上で、仮想細胞の構築は次世代科学の中核課題だとし、「国家、企業、研究機関をまたぐ大規模なデータ協力が必要だ」と強調した。