写真=サムスン電子のソウル本社

サムスン電子の四半期営業利益が初めて100兆ウォンを突破し、韓国企業として過去最高を更新した。人工知能(AI)投資の拡大でメモリ需要の中心がハイパースケーラーに移り、供給側が価格交渉で優位に立つ構図が収益性を大きく押し上げた。

サムスン電子は10月8日、2026年7〜9月期の連結営業利益が107兆4000億ウォンになったと発表した。四半期営業利益が100兆ウォンを超えるのは初めて。前四半期の89兆4900億ウォンから20.01%増、前年同期の12兆1700億ウォンに比べると8.8倍となった。

売上高は195兆ウォンで、前年同期比126.59%増。2026年1〜9月累計の売上高は500兆3700億ウォンとなり、前年通期の333兆6000億ウォンを上回った。

2017〜2018年のメモリ「スーパーサイクル」期でも、ピークとされる2018年7〜9月期の営業利益は17兆5700億ウォンだった。当時は半導体を担うデバイスソリューション(DS)部門が14兆5600億ウォンを稼ぎ、全社利益の83%を占めていた。

その後、市況は1年で反転した。2023年1〜3月期の営業利益は6400億ウォンまで落ち込み、同年通期でも43兆6000億ウォンにとどまった。DS部門は2023年1〜3月期に4兆5800億ウォンの営業赤字を計上していた。

■四半期営業利益107兆ウォン、過去の通期利益を上回る規模

だが、AI産業の拡大でメモリが必需品となり、業績は急回復した。2025年7〜9月期の12兆1700億ウォンを起点に、10〜12月期は20兆1000億ウォン、2026年1〜3月期は57兆2000億ウォン、4〜6月期は89兆4900億ウォンへと、四半期ごとに増益を続けてきた。

今回の7〜9月期営業利益は、2018年7〜9月期の6.1倍。2018年通期の営業利益58兆8900億ウォンの1.8倍に相当する。2017年と2018年の営業利益合計112兆5400億ウォンにも迫る水準だ。

2026年1〜9月累計の営業利益は254兆1300億ウォンで、2010〜2025年の16年間累計534兆2800億ウォンの48%に達した。営業利益率も2018年7〜9月期の26.8%から、今回は55.1%へ上昇した。

■メモリ需要先の変化で収益構造が一変

背景にあるのは、メモリ需要の担い手の変化だ。これまでの好況局面はPCやスマートフォン需要が押し上げる形が中心で、供給過剰の解消も含めて2〜3年周期になりやすかった。2017〜2018年のピーク時でも、DS部門の営業利益率は42%だった。

足元では、AIインフラに投資するハイパースケーラーやAI半導体企業が主要な需要先になっている。高帯域幅メモリ(HBM)は、顧客ごとの認証と先行契約を前提とする取引構造だと受け止められている。

需要側は投資計画に応じて調達量を増やす企業が中心で、個人消費の変動の影響を受けにくい。顧客が認証を終えた供給企業と事前に数量を確約するため、価格交渉における供給側の立場は従来より強まったとの見方が出ている。

需要がAI投資サイクルに連動する間は、供給側が価格を決めやすい「供給者優位」の局面が続く可能性があるという。

こうした需要の変化は、DS部門の業績に先行して表れた。DS部門の売上高は2025年1〜3月期の25兆1000億ウォンから、2026年4〜6月期には127兆5000億ウォンへと、5四半期で約5倍に拡大した。営業利益率も4%から70%へ上昇した。

同じ期間に生産能力を5倍へ引き上げるのは難しく、増収の大半は販売価格の上昇と製品ミックスの改善によるものとみられる。

2018年7〜9月期の好況ピーク時、メモリ売上高は四半期21兆ウォンだったが、2025年10〜12月期には37兆1000億ウォンと1.8倍に拡大していた。さらにHBM4の増産で汎用DRAMの需給が相対的に引き締まり、2026年7〜9月期の価格は2桁上昇したという。

■利益は半導体部門に集中、焦点は供給者優位の持続性

価格上昇分は利益にほぼそのまま反映された。2025年4〜6月期と2026年4〜6月期を比べると、全社売上高は約97兆ウォン、営業利益は約85兆ウォン増加し、増収分の約87.5%が営業利益として残った計算になる。

工場や設備の固定費負担が大きいメモリ事業では、価格が上昇してもコストが連動して増えにくい。同じ期間に、デバイスエクスペリエンス(DX)部門は売上高が43兆6000億ウォンから48兆ウォンへ増えた一方、営業利益は3兆3000億ウォンから8000億ウォンへ減少した。

その結果、サムスン電子の利益は半導体部門に大きく集中した。全社営業利益に占めるDS部門の比率は、2025年7〜9月期の57%から、10〜12月期は82%、2026年1〜3月期は94%、4〜6月期は99.7%へ上昇。2026年4〜6月期の全社営業利益89兆4900億ウォンのうち、DS部門は89兆2000億ウォンを占めた。

2026年7〜9月期の部門別業績は、今月末に公表する確報で明らかにする予定だ。

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